こころのこと
 


★心と体の浄化を進める二つの簡単な究極的方法(2)「アーシング」
 2017.8.28

心の癒しの仕事を始めてから21年目に入っていますが、今年はまだ長年の疲れが残っているような状態です。


一つのかなり大きな山(私にとってはエベレスト級)を登り切って、今年はその山から麓に完全に降りてきた感じです。山を下りたら一旦休んで次に登る山を選びますが、今はそんな「休憩」の時期だと感じています。


今まで、宣伝はしないのに、一時期(特に神戸に住んでいた頃)は完全に許容量を超えた猛烈な忙しさになり、また、何事にも全力投球タイプなので、一人の人がさらに楽になっていかれるためには、どのようにしたらいいのかを起きている時も寝ている夢の中でも、よりよい方法をずっと考え探っていて、もう生活のすべてが心理療法について考え感じているというまったくのオーバーワーク状態になっていました。


この頃に、元クライアントさんで、難病も治す気功整体をされる方に何度か治療をしてもらいましたが、私の状態はものすごく悪い状態で、治療してもらっても普通の人の悪い状態までしか戻らないといわれていました。


自然を体験するために田舎暮らしを始めてからも、なぜか忙しかったのですが自然に触れる作業がたくさんあって、超忙しい時よりも体は少し元気を取り戻していきました。広い畑があり使っていないところも多かったので、草刈りはかなりの運動でした。また、冬は大変寒いので薪ストーブの薪を集める必要があり、薪集めもよくしていました。


特に、この薪集めは山に入り倒木や落ちている小枝などを拾っていると、帰りにはなんだか体と心が清々しく元気になっていくのでした。これはとても気持ちがよかったです。今思うと、木に触れることで地面からアースをしていたことがよくわかります。


現代は、はき物の底がゴム製のものになってしまい、まったくアースが出来ない状態になっています。現代人は地球から絶縁されてつながりのない状態で生きているのです。


また、衣料品も人工の繊維が開発されて化学素材のものがほとんどですので、着用しているだけで大量に静電気が発生します。さらに、スマホやパソコン、テレビなどの電気製品を使用したり、それに囲まれた生活をすることでも体は電磁波や静電気を帯びます。こうして発生した静電気を「体表静電気」と呼びます。


そして、静電気は摩擦により発生しますので、体表だけでなく体内でも常に血液やリンパ液が流れ、空気が気管を通って肺に入り、食べ物が食道から胃、腸を通過していくことでも静電気が発生することがわかったようです。これを「体内静電気」と呼びます。


また、心電図や脳波が計れるように人体は電気エネルギーで動いていますので、思考活動が活発になることでも脳内に静電気が発生することになります。


特にトラウマを強く負っている場合には、過去の出来事を何度も何度も思い出して反芻したり、意識を逸らすためや身を守るためにも思考を超過剰に使うようになりますので、さらに体内静電気の発生量が増えてしまいます。それも、特に大事な脳にです。


人間は、こうやって体の表面と内側の両方に大量の静電気を溜め込むことが、慢性疲労や慢性的体調不良をはじめ、うつ病、糖尿病、アトピー性皮膚炎、癌など様々な病気の原因となっていることが指摘されています。


私もかつて、クオンタム・ゼイロイドという人体の微弱電流を測定するコンピューターシステムで他の人を測らせてもらった時に、ある人は異常に静電気が溜まっていることがわかり、聞いてみると甲状腺癌があるといわれました。癌特有の反応も出ていたので、心の中で納得しました。


とりあえず、異常に溜まっている静電気をまず抜くために土の上に裸足で立つのがいいことなどをお伝えしました。1ヶ月程経った頃、その方から驚きながらの連絡があって、なんと甲状腺癌が消えてしまったことを教えてくれました。詳しくお聞きしてみると、その方が特別にされたことは、毎日散歩で神社に行っていてその時に境内で裸足になっていたということだけでした。


その当時には、私は体表静電気のことしか知らなくて、それだけを抜けばいいと思っていたのですが、その方は継続して少し長い時間アースをすることで体内静電気も抜けていったのだと今にしてわかります。


こうやって意図的にアースすることを『アーシング』といいます。


体内静電気のことはつい最近知ったので、私もアーシングによって、どんな感じになっていくのかを例によって実験してみようと思い、1ヶ月ちょっと前から自宅の庭で地面に水をまいてよく足の裏をつけています。長くするよりも回数が多い方がいいのですが、私は長い時には1時間ぐらいその状態で本を読んだり、書き物をしています。


実感としては、足がとてもしっかりしてきた感じで、グラウンディング感がかなり強くなっています。頭もスッキリとして色々な整理がしやすくなっています。


また、足の裏にポコッとしたしこり(たぶん足底線維腫)が出来てかなり痛いことがあったり、右足に外反母趾が少し出て来ていました。どこかにも書いたかと思うのですが、足に何か反応が出る時には、『人生の進み方が少しズレてるよ。気づいて』ということを潜在意識が教えてくれているのですが、足先の方がズレ方がまだ弱くて、足の付け根に向かう程ズレが強くなります。これは、長年の研究の中からわかりました。私はこの足先の不調が消えました。


それから、もう少し残っている前述の気功整体の先生の表現でいう普通の人の悪いぐらいの状態のものが放出されて体が調整されていっているのを感じています。今思えば、心理療法の現場の中で特に私の場合は、普通は入ることが出来ないような人の心の奥の一番深い部分に入れてしまうので、クライアントさんはすごく楽になっていかれますが、そのためにクライアントさんが解放していかれるネガティブな感情やエネルギーの量が多く(たくさん放出、解放されるから楽になって行かれるのですが)、私自身はそこからの影響を知らない間に受けていたのだと感じます。


ただここは、仕事をはじめてからその中期あたりまで、生来の怖いもの知らず的なところが仇となって、セラピストが通常は行うべき、そのための防御や念入りな浄化をほとんどしなかったですから、まったくの私の未熟さで私の責任でした。しかし、この経験があったからこそ、セラピストの養成において防御法や浄化法もお教えできることがたくさんあります。


話しを戻しましょう。体内静電気は脂肪によって流れ出ることが止められてしまうようです。脂肪が絶縁体(電気を通さないもの)になっているということですから、時間をかけないとたくさん溜まった体内静電気は出て行かないようです。


マンション住まいなどで、土に触れられない環境の方は土や木が目に入ったら手や足で1~2秒触れるだけでもいいといわれています。ただし、その回数が多い程いいようです。私の実体験からの感覚でいいますと、足でしたら足の裏が温かく感じるまで着けているのがいいと感じています。


また特に、海は塩水がバツグンの伝導体(電気を通すもの)になりますので、効率のよいアーシングが出来ます。私も海が一番心地よく効果も早く感じます。波打ち際を裸足で歩くのがとても好きです。(電気のコンセントに挿してそこからアースをするマットなどもたくさん出ていますが、直接地面に触れることが一番いいと思います)


それから、グラウンディングということでいいますと、スピリチュアル的なことにはまりすぎたり、強いトラウマを解消していないとグラウンディングがほとんど出来なくなります。特にトラウマを負ったままだと、家庭環境やその出来事から逃避、解離するために気持ちや意識を上空の方に向けるようになってしまいグラウンディングが出来なくなります(しなくなります)。私のセッションでも、無意識にやっていたそのことに気づかれてびっくりされる方も多いです。逃避、解離するためにスピリチュアルを使って、それに傾倒していく人もおられます。


グラウンディングが出来ていないと、文字通り地に足が着いた安定感を感じられなくなってしまい、何かふわふわした感じで現実に対処しにくくなります。また、自分の心の内にも意識が向きにくくなるので、自分がほんとうにしたいこと、心から望んでいることがわからなくなって、理想の現実を創り出せなくなります。


アーシングは、グラウンディングもしっかりと強化してくれます。


アーシングについて、詳しく知られたい方は書籍で『「不調を癒す《地球大地の未解明》パワー アーシング」クリントン・オーバー著 ヒカルランド』や『「はだしで大地に立つと病気が治る 体内静電気を抜くアース健康法」堀泰典著 マキノ出版』などがありますので、お読み頂ければと思います。体内静電気理論は「はだしで大地に~」の方で詳しく書かれています。


それから、アーシングが今必要だと感じる理由がもう一つあります。それは、地球内部には大量の自由電子(素粒子の動きによって生じるエネルギーの波)が存在します。地面に触れると静電気が放出されるだけでなく、自由電子が体内に吸収されて体は自然に電子でチャージされ、放出とチャージで体の電気的バランスが取り戻されます。


ということは、チャージによって人間が地球の波動と共鳴して、地球に同調していくことになるのだと思います。


今、地球自体が波動を上げているといわれています。私自身の感覚でも同じことを感じています。だからこそ、我々人間は地球人として地球の上に住んでいますから、しっかりと意識して地球と物理的につながる必要があるのではないかと思うのです。


人間という存在のほんとうのしあわせというものを考えた時に、したいことをして自己実現することはとても大切ですが、その前にまず自分の安全な居場所があることが大前提になります。


精神面でいえば、自分が自分をありのまま愛し受け入れ、自分の心の内側に安心出来る居場所をつくること、物理面でいえば、安心出来る家があることです。


そして、地球は、我々のお家です。それもたった一つしかないお家です。


今、人類(人間という種)は、ここにしか住むところがない家を汚し、ゴミで散らかし、危険なもので汚染して、やりたい放題にしています。お家をそんな風にしていると、居心地が悪いばかりでなく、体もおかしくなるし、精神衛生的にもよくなくて、よりよい生を味わうどころではありません。これは、ご自分のお家のことに当てはめて考えると、誰にでもすぐにわかることだと思います。


このところずっと流行っている断捨離も、地球環境においても行うべきではないでしょうか。


今近隣の軍事情勢も不安定になっていますが、人を傷つける武器はいりません。軍事力を強化し兵器を持つことで抑止力になって、身を守れるといいますが、そもそも兵器(軍隊)を持たないと安全を確保できない人類とは、なんという精神レベルなのでしょうか!


でも・・・、その種は我々一人一人の中にあるのです。


アーシングで地球とつながることは、我々のたった一つしかないこのお家を意識して、そこに思いを向けるということでもあります。


きれいで安全なお家で、成長し安定した精神で暮らしていきたいですよね。それこそが、進化した人間なのだと思うのです。


今、私も含めて人間が、まず個人レベルで出来る方法である「心身を浄化していくこと」、それをしっかりと行うべき時が来ていると思います。


前にご紹介した「マインドフルネス」も、この「アーシング」もお金もかからず簡単にできる根源的な方法です。ぜひ行ってみて下さいませ!!


すべての生きとし生けるものの命がまっとうされますように・・・。



 


★心と体の浄化を進める二つの簡単な究極的方法(1)「マインドフルネス」 2017.8.15

早いもので、21世紀に入ってからもう17年が経ちます。


私が子供の頃には、21世紀になると様々なものが進歩して、平和な素晴らしい世界になると思っていました・・・。


今、世界を見渡してみますと、犯罪や争いが減るどころかどんどんと増えている状況にあります。自然環境においても、温暖化が進み世界規模の気象異常が発生しています。絶滅を危惧されている動植物は、約24,000種にもおよぶことがわかっています。それもこの数十年の間にです。(2016年9月現在。国際自然保護連合〈IUCN〉の調査)


また、日本においては、北朝鮮の核兵器開発問題で、アメリカとの人類初の核保有国同士の戦争が起こる可能性があり、戦後で最も危険な状況になっています。(ちなみに、もしもアメリカと北朝鮮とが戦争になった場合、短時間での決着がついたとしても、日本国内には約2万人もの北朝鮮の工作員が存在しているようですので、この人たちは事前命令により母国が攻撃された時点で、アメリカの同盟国である日本への生物兵器などを使用したテロを行う可能性があります)


今・・・・・・、このような危機的な状況に日本と世界は瀕しています。


私たちは、このような状況を望んでいたのでしょうか?


この危機的状況の背後には、人間特有の「経済(お金)」というものの存在があります。


「経済」を優先するために、自然環境が壊れていくことがわかっているのに、工業化、技術開発を推し進め地球の環境を破壊し続けています。


「経済」を優先するために、人間にとってほんとうはよくないとわかっているのに、過度な医薬品や治療技術を開発し様々な形で人間に投与、使用し続けています。


「経済」を優先するために、マスコミはテレビでは犯罪ものなど精神衛生上好ましくない番組をたくさんつくり、雑誌などでは殺人や性欲を助長するような漫画や情報が氾濫し続けています。


「経済」を優先するために、たくさんの無実の死者が出ることがわかりながら、戦争を起こします。(北朝鮮は兵器開発をすることで中東に武器販売をしています。アメリカは幾度も戦争を起こすことで景気の上昇を図ってきました)


そして何よりも、このような「経済」優先の奥には、我々人間一人一人の心の中に「便利さ」、「楽しさ、おもしろさ」、「若々しさ(美と健康)」、「お金のある豊かさ」などを過剰に求める思いや欲求が存在していることが根源的な原因となっていると感じるのです。


さらにいえば、その奥には「不安で安心して生きられないことへの怖れ」、「病気及び死への怖れ」、「老いることへの怖れ」などの根源的な怖れが隠れています。その怖れが人間を「経済」を優先させて少しでも安心・安定しようとする思いへと駆り立てているのだと感じます。(さらにこの奥には「トラウマ」が存在するのですが、ここでは置いておきましょう)


今から2,600年ほど前に仏陀(お釈迦様)は、これらの怖れの元となる苦しみを分析、分類しました。それが四苦八苦といわれるものです。


四苦とは、根本的な「苦」で、生・病・老・死に付随する「苦」です。それから、愛別離苦(愛する者との別離をすること)、怨憎会苦(怨み憎んでいる者に会うこと)、求不得苦(求める物が得られないこと)、五蘊盛苦(人間の肉体と精神が思うがままにならないこと)などの「苦」を合わせて八苦としています。


仏陀は、ご自分自身が瞑想により、これらの「苦」から解放されて悟りを開いたといわれています。その瞑想の一つをヴィパッサナー瞑想といいます。(ヴィパッサナー瞑想については、このブログ内でも「行いを意識して味わう」という記事でずいぶん前に書きました)


そして今、ヴィパッサナー瞑想から宗教色を抜いて、誰でも簡単にできるものにした「マインドフルネス」という瞑想法が欧米をはじめとして世界中に爆発的に広がっています。グーグル社、インテル社、マイクロソフト社、イギリス国会等々、世界の一流の経営者や企業、スポーツ選手、俳優や女優などがこぞって実践し、企業の研修にも取り入れられているようです。


マインドフルネスは、「今」という瞬間に常に注意を向けて、あるがままの状態を観察する「気づきのトレーニング」です。


その中で特に重要なことは、自分の内側から出て来るものを判断やジャッジをせずに、ただあるがまま・ありのままそれを受け入れ気づくことにあります。それは、浮かんできた雑念だけでなく、ネガティブな思いや感情に対してもそうします。


このことは、トラウマを癒していく時の理論とまったく同じことです。それは、「うれしい」、「楽しい」と感じる時と同じように、まったく自然に感じる「悲しい」、「さみしい」というネガティブな感情が浮いて来たとしても、逸らしたり、抑えたり、隠したりするのではなく、ただ『悲しい(さみしい)思いがある』ことに気づき、その感情の存在をありのまま認め、受け入れるのです。マインドフルネスでも、そうすることで感情のコントロールが上手になり、心が安定していきはじめます。


大変多くの人が勘違いをしているのですが、イヤだと感じる思いを隠したり、それから逃げると、その思いは逆に必ず余計に強くなってしまうのです。


最近、スポーツの世界でも同じようなことがいわれています。イップス(Yips)という精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害が注目を浴びています。


このイップスも、治っていく選手もいれば、治らずに競技を辞めていく選手もいるそうです。『治る選手は自分がイップスだと認めた人で、逃げて認めない選手は絶対に治らない』とその治療関係者は言っています。


私は仏教もどの宗教についても関係していませんし、詳しい知識もありませんが、マインドフルネス(ヴィパッサナー瞑想)からわかることは、仏陀が見つけたのは、自分の中にあるものはとにかくすべてをただありのまま受け入れるという作業が、人間を「苦」の影響から解き放つ重要な方法であるということでした。


人間を解放する究極の方法は『光も闇も(とりあえず)ありのまま受け入れる』ことです。


なぜなら、どうも我々人間は闇さえも体験することの一つとしてこの地上に生まれてきたようですから・・・。


短時間でも効果のある簡単な方法ですので、ぜひ行ってみて下さい。(瞑想には色々な方法がありますが、どのやり方でも瞑想は効果のあるよい方法です。他の瞑想法をされている方は、マインドフルネスもぜひ併用してみて下さいませ)


★マインドフルネスのやり方

①座って、背筋を伸ばし、姿勢を整えます。

②呼吸を整え、深呼吸をゆっくり1〜2度行いましょう。

③目を閉じ、ゆったりと鼻呼吸を始めましょう。呼吸の長さを気にせずに、体がしたいように自然な呼吸のままでいいです。

④呼吸に意識を向け、お腹がふくらんだり、縮んだり、お尻の体重を感じたりしているのを観察してみましょう。息を吸っている時には「息を吸っている」、息を吐いている時には「息を吐いている」と心の中で実況中継して、その感じをただただ見守っていくような感じです。

⑤雑念が湧いたり、どこかで音が聞こえたりしたら、そちらに注意が向くかもしれません。その時は「雑念が湧いた」「音がした」と心の中で実況しながら気づいている自分に気づき、また今この瞬間に集中していきます。その際、雑念が湧いたこと、音が気になったことをジャッジしないようにして下さい。また、何かネガティブな感情が浮いて来た時には、「悲しい思いがある」「怒りの思いがある」などと、その感情に浸らずに、ただただそういうものがあるということに気づき、呼吸を感じていきます。あるいは、過去や未来のことを考えていた時には「過去(未来)に意識が向いている」とただ気づき、また呼吸を感じていきます。

⑥ただ、今この瞬間に意識を向け、瞑想を続けて下さい。

⑦3分〜30分程度行ったら、ゆっくりと目を開き、少しずつ日常に意識を戻していきましょう。

※さらに詳しく知りたい方は、書籍もものすごくたくさん出ています。お勧め本では、『「和解~インナーチャイルドを癒す~」 ティク・ナット・ハン著 サンガ発行』、CD付きのものでは、『「~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門」吉田 昌生著 WAVE出版発行』、『「実践!マインドフルネス―今この瞬間に気づき青空を感じるレッスン[注意訓練CD付]」 熊野宏昭著 サンガ発行 』などがあります。



 


★子供の授乳期間による心理面への影響について 2017.2.23

この記事は、2010年9月に書いて、私のブログにも載せているものです。ブログでは2番目によく閲覧されています。


これは、アンケートのお願いで書いたものでしたが、閲覧回数が多いということは、それだけ若いお母さん方が授乳においても色々な不安を持たれていて、ネット検索して情報を集められているのだと思います。


今回、その後の追記として少し文章を増やしましたので、改めて投稿してみました。


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私は、友人からも妻からも「あなたは恐いもの知らずだね」という感じのことをいわれたことがあります。決して恐いものがないわけではないのですが、自分でも物事に極端に動じることが少ない方だなと自覚していました。


ある時そういわれて、この恐いもの知らずという感覚は、どうしてあるのだろうかと考えたことがあります。


それは、説明しにくいのですが、何かどこか心の深いところに「安心感」があるということに気づきました。


心の深いところで感じる安心感は、まず親との関係で、自分が満足するやり方で愛情をたくさんもらえると、自然に子供の心に定着していくものであります。


私はトラウマ統合療法という心理療法でのとてもたくさんのクライアントさんとの関わりからも、安心感は子供の頃に定着してしまえば、一生消えることがないということがわかりました。


どうも、私の中にある安心感は、このような子供の頃からの感じの安心感ではなかろうかと感じました。


でも、私にも強いトラウマがありました。30才ちょっとまで、このトラウマの影響をかなり受けていました。


ホームページの方には「私のインナーチャイルド療法体験」として詳しく書いていますが、私自身の中で父親とのつながりを感じられなかったことから、「愛されなくて悲しい」という感情と「自分はいらない子、自分には価値がない」という思い込み・観念を持ってしまったことがその原因でした。(癒してしまった今は、あれだけ持っていたその思いや感情が完全に消えてしまって、まったくないことに自分でもびっくりします)


そして、もらえるにはもらえましたが、母からも自分の心が完全に満足するほどの愛情をたくさんもらえた感覚が正直なところそれほど強くはないのです。


では、トラウマがありながらも、なんだか心の中心にはいつもあったこの「安心感」は、どこから来たものなんだろう?


それは、ある時母から聞いた言葉を思い出した時にわかりました。『あなたはいつまでもお乳(母乳)をほしがるので、お父さんが満足するまで飲ましてやればいいといって2歳まで飲んでいたんだよ』と・・・。


そう、これだ!と感じました。


子供にとっては生まれてから生きていくために一番必要なのが授乳です。10ヶ月ちょっとおなかの中で一体だった母親からの肌のぬくもりとおなかが満たされるこの感覚こそが、赤ちゃんにとっては最大の至福と安心感を感じる時なのだと思います。


ラッキーなことに、私はこの至福と安心感を他の子よりも長く味わえさせてもらえたのです。これが、私に「安心感」がなんだか定着している原因だろうと直感的に感じています。


そこで、『子供の授乳期間による心理面への影響について』を調査してみたいと思い立ちました。


子供に4歳までお乳をあげたあるクライアントさんは、中学生になったその子供は『やっぱり、何が起こっても何とかなるとか大丈夫といって、あまり動じることなく安定している』そうです。ここには、その子の生まれ持った性格の影響もあるのですが、それでも授乳とそれによるスキンシップの心への影響は強いと思います。


私の現場での経験でもこういう実例がたくさんありますが、医療の現場での授乳への対応は様々なようです。


あるクライアントさんは、『小児科で赤ちゃんを診てもらった時に、生後2ヶ月過ぎたらリンゴ汁などをあげて、早く離乳をさせる準備をした方がいい』といわれたといっていました。


Wikipediaでは『期間としては、個人差もあるが4,5か月から1歳半くらいまでに離乳食を完了させ、通常の食事へ移行させることが一般的である』とありました。


このあたりの一般よりも長く授乳させた場合やミルクであげる場合、あるいは授乳行為というスキンシップを子供が欲するままにとらせてあげた場合の子供の心の落ち着き具合とか安心具合などやその子の性格にどのような特徴があるのかを知りたいなあと思っています。


そういう授乳や授乳行為期間の長かったお子さんがおられる方やそういう子供のお母さんに聞いたことなどでもいいですから、もしも知っておられることがありましたら、ちょっとお教えいただけますとうれしいです。


子供への授乳期間が長いほど、子供の心理面へのよい影響があることを感じていますが、データを集めてみることでさらにはっきりと何かの傾向が見えてくるかもしれません。そうすれば、授乳期間を長くすることだけで子供のトラウマの影響をなくしたり、軽減できるかもしれないと思いますし、子育てにトラウマという概念を考慮に入れた育児における新しい指針が見えて来るとも思うのです。


どうぞ、情報がございましたらご協力よろしくお願いいたします。

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★追記

という感じで投稿すると、ここのコメントでも色々とお教え頂きましたし、直接的にも色々と教えて頂きました。改めて、情報提供頂きました皆様、ありがとうございました。


その後、さらに色んな方から授乳についてのお話を聞かせて頂いてきました。現時点での結論は、個人的には許されるならやはり、授乳期間は長い方がいいのではないかと思っていますが、子供自身が満足すれば割りと早い段階でも自然に卒乳できるのではないかと感じています。


一言でいえば、子供が満足するまで飲ませてあげればいいのだと思います。


ただ、一般的な期間を超えて与え続けても、なかなか卒乳しない時には、もしかしてその子は何か満足し切れていないのかもしれません。それは、授乳でお腹は満たされても、心が満たされていないということが考えられます。


満足する期間が子供によってただ違うということはあると思いますが、そこには、いくら授乳とそれによるスキンシップという愛情の形をもらえたとしても、もしも、お母さんの子供をいとおしいと思う思いの奥に、他の日常のことや過去からのさびしさや悲しさ、あるいは怖れなどの感情がたくさんあった場合には、子供にはその感情の方がヒシヒシと伝わってしまいます。


そうやって、その子の心には母親の心の奥にある思いが伝わって、心の満足、安心感が感じられないでいることも考えられます。私の場合にも、この部分の影響があったように思います。だから、満足するまでに時間がかかったのかもしれません。


小さな子供は、言葉にできないだけで自分の感覚で色んなことがわかっていますし、母親の思いや感情をものすごく感じ取っているのです。


心理療法の現場では、赤ちゃんの時にすでにもう、お母さんのネガティブな思いや感情が伝わってきて、その思いから自分の苦しみが生まれたと感じたことを思い出した方もたくさんおられます。


また、逆に「お母さんを助けてあげたい」という強い思いを抱いたことに気づいた方もたくさんおられました。


例えば、お母さんが子供の頃から「独りぼっち」という思いを持っていると、赤ちゃんが自分を必要として、求めてくれることで、自然に「もう独りぼっちではない」と感じます。


しかし、この「助けてあげたい」を持った子供は、お母さんの心の奥にあるさみしさや悲しみを感じていつまでも授乳してもらうことで、ほんとうはお母さんを助け、よろこばせようとしようとする場合もあります。


ここで、母親が心の内に「独りぼっちでさみしい」などという思いがあることに気づいていれば、子供の存在で心を埋めようとしていることにも自然に気づけますが、それに気づけずにこういう流れが続くと、無意識にも、母親は子供を自分の一部として取り込んでしまい、子供も母親から愛してもらうために、母親を満たすため不安にさせないように、母子の共依存がはじまる可能性が非常に高くなります。


最近、ちまたで目にする多くの母と子供からは、この傾向をとても強く感じます。


特に子供が女の子の場合には、同性であるその子に、子供の頃の自分(インナーチャイルド)を投影する(自分を照らし合わせて見てしまう)ので、その子を自分の方へ取り込んでしまうか、その子に自分自身の嫌いな部分と同じところを見て突き放してしまうか、二つに一つという対応になりやすくなります。


本屋さんに行くと、母と娘に関する本がたくさんあるのは、実はこの理由からなのです。このことも、現場での経験を重ねることで分かりました。


また、異性である男の子には、女の子よりも自分を投影しにくいので、母親が安心を求めて、息子から自分の方を見てもらうために取り込もうとする傾向が強くなることもあります。


ただし、母親が自分のお父さんを嫌いで関係性が悪かった場合には、父親と同じ異性である息子に父親を投影して、息子を嫌って受け入れられなくなる場合もあります。


あるいは、自分の父親のようにならないように、父親とは反対の性質にしつけようとすることもあります。


この場合には、この母親のパートナーである旦那さんは、父親とは正反対の性質を持った人であることがとても多いです。(例:父親がよく怒る人であったら、ほとんど怒らない人を旦那さんあるいはパートナーに選ぶ)


人間は感情を持った生き物ですから、原家族(自分が生まれ育った時の家族)に持った感情や思いが親子間だけでなく、すべての人間関係に影響していくのです。


お伝えさせて頂きたいことはたくさんありますが、それはまた別の機会にゆずるとして、ここではとにかく、小さな子供は言葉に出来ないだけで、母親の思いや感情を実は母親以上に感じているということを覚えておいて頂ければと思います。


ですので、授乳においても子育てにおいても、「母親の心が安定している」ということが一番大切なことになります。


そして、お母さんが心を安定させるための有効な方法は、子供や旦那さん、他の人や物などの自分以外のもので心を満たそうとすると依存の連鎖にはまってしまいますので、そうするのではなく一人でいても安定できるように、「自分が自分を大切にしてよろこばせ満たす」ことです。


これからの時代はそうすることで、ご自分はもとより子供も家族もどんどんとよりよい流れになっていくようになります。


この方法につきましては、よろしければ、以下の私のホームページの「しあわせの法則」の中の「わくわくノート」のところに少し詳しく書いていますので読んでみて、実行してみて下さいませ。


自分で自分を満たしていけばいくほど、必ず人生はよりよく変容していきますよ(^_^)


私の心理療法はそのための手法ですが、これは自分一人でできる簡単な方法です。(上手に行っていくためのコツは色々とありますが、それについてはまたブログに書いていこうと思っています)


しあわせの法則


あなたの心が安らかで満たされることをお祈りいたします。



 


★女性・女性性の時代へ 2017.2.3

私は今年4月で、心理療法の仕事を始めて丸20年となります。20周年記念の年ですが、年明けからもう「やり切った感」満載になっていました。


ほんとうにこの20年間、「どうやったら根源的に人が楽に生きられるようになるか」、「心が根源的に癒されるか」をクライアントさんから見せて頂いたもの、それをず~っと感じ、観じ、分析分類し、つなぎ合わせて、誰でもわかるように理論をシンプルに構築してきました。


夢の中でもセッションをしていることも何度も何度もあって、その中でその人にどのようにサポートして差し上げたらいいのかに気づかされることも多々ありました。近年まで、24時間仕事のことばかりだったと感じています。仕事が趣味でした(^_^;)


そして数年前に、「心のこと、トラウマのことはすべてわかった!!」と感じてから、もう十分やり切った、何かが終わったと静かに感じていました。


今年は年が明けてから、心の奥底からいよいよ「終わったな」と感じて、今まで通り全力で仕事をしながらも静かに過ごしていました。(同時に、長年の疲れもかなり出ていました。今も出ていますが・・・)


やり切って、真っ白な灰となりました。(あしたのジョーか!!)←若い人にはわからないと思いますが(^_^;)


でも、灰でいるのもそろそろにして(笑)、自分を満たしながら、ゆる~りと次へと進んでいきましょう。


「人を助けなければならない」というネガティブなカルマ(業)も、もう完全に解消したのだと感じます。


(実は人を助ける仕事をする人には、こういうカルマが関わっている場合もあります。ただ、それは悪いことではありません。私はネガティブなカルマは、後悔の思いとか罪悪感などから出て来るものだと感じています。例えば、かつての経験から「人を助けられなかった~」というような後悔や「自分はあんなにきついやり方を人にしてしまった。何という自分なんだ!」というような罪悪感ができると、自分で持ったその思いから故に、「助ける」という方向へ無意識〈魂〉が自分を過剰に動かすようになるだけです。


大事なことは、そういうカルマ〈後悔の念や罪悪感など〉があるかもしれないことに気づいておくことです。そうすれば、セラピストやヒーラー、施術者、医者など人を助ける仕事の人がよく陥る「自分は人を助けることができる特別な存在」という特別意識に取り込まれてしまうことはなくなります)


今、ニュートラルな自分として、次のステップを上がって行こう。自由に好きなものを何でも選んでいいのだから。


・・・・・・。


そして、観じていると、やはり・・・、自分は心から「ただただ世の中がよりよくなるためのお手伝いがしたい!!」のです。


世の中がよりよくなるためには、一人一人が癒されることが根本ですが、全体を意識すると、まず女性が癒されることだと感じています。


歴史が示すように、男性(男性性)中心の社会は戦い、争いを必ず生み出してしまいます。これからは、こういう時代の流れから大きく転換していかなければならない時が来ています。


これからの時代は、女性(女性性)が中心となるべきだと感じます。女性(女性性)の特徴でもある「受容」がすべてをつなげていくキーワードとなるのだと感じるのです。


そのためには、すべての人間は女性から生まれてくるのですから、女性(母)が心の底から安心して、強く、やさしく、健やかでいることがとても大切なことだと感じます。(男性は、女性がそのようにいられるように守ることが本来の役割だと感じています)


今後は、従来通り個人セッションを行いながらも、女性、母親が健やかでいられるように色んなサポートもできればと思っています。


また、男性においても、自分の心の内側を見て癒やすと、自然に内在している女性性も出て来て、受容する力が上がります。


そして特には、小さな子供さんのいるお母さん方に、お伝えできるとても大切なことがたくさんたくさんあります。子供の頃に日常のどんなことで、どのようにトラウマ(心の傷)ができるか、トラウマを負うと、大人になってからどのような弊害が出て来るか、一般の心理学でも把握し切れていないことも含んだ、そのあらゆるパターンを有り難いことにとてもたくさんのクライアントさんから現場で教えて頂きました。(実は、トラウマのない人はいないのです)


そのあたりのキーポイントがわかると、子育てが劇的によりよく変わります。また、お母さんが癒されると子供はすぐに変わります。ほんとうに早いです!!そうすると、子供はトラウマのない(少ない)子として育ちます(*^_^*)


自分自身を受容する人が増えていき、世界に受容の思いが広がりますように・・・。


そして・・・・・・、自分も自分自身をさらに受容して、どんどんと満たしていこうっと(*^_^*)


 

        

★11/1の講演会で改めて気づいたこと~自分を客観視することの大切さ~ 2016.11.7

11月1日の講演会にご参加下さった皆様、お聞き下さりありがとうございました。


私は、10月にはこの仕事を開始してから初めて長期の休暇を頂きました。今回の講演会は、1ヶ月間まったく仕事から離れた状態のままで講演に望みました。その影響かどうかわかりませんが、何だか自動運転のように自分がしゃべった感覚が薄くて今までにない不思議な感じでした。


後日、自分で録音した音声を聞きいてみると、しゃべるペースが速すぎたり(元々速いですが(^_^;))、説明不足であったり、強い表現になり過ぎているところもあったり、私的にはちょっと気になるところが多かったのですが、それにもかかわらず、「よかったです」と何人もの方からご感想を頂きよろこびと共に恐縮もしております。


ただ、今回の講演会に限らず、今年に入ってさせて頂いたそれぞれの会では、実は・・・・・、私自身がそれによって癒されていることをとても感じています。


それは、聞いて下さる皆様との共有する時間であったり、触れ合いであったり、私自身が自分を隠すことなくありのままに自分のすべてをストレートに表現すること、それらにより私自身の癒しにつながっているのだと思います。


今年の講演会にご参加頂きました皆様に感謝しております。ありがとうございます!!そして、私自身にも・・・、ありがとう!!


今年はあと一回あるグループの内輪での講演会があります。会場や人など周りの色んなこと、私の内側の色んなことをしっかりと感じて意識しながら、また私を全開にしてお話しをさせて頂こうと思っております。


今回の講演会では、しゃべりながら自分が頭や雰囲気で感じている「主観」と、録音で聞くありのままの「客観」がかなり違うことにまた改めて気づきましたf(^_^;)


私のインナーチャイルド療法でも、イメージで大人の自分(クライアントさん自身)が子供の頃の自分(チャイルド)を客観視することではじめて、心の奥に抑圧あるいは封印していた子供の頃からの「ネガティブな感情」がほんとうはどのようなものだったかがはっきりと伝わって来てわかるようになります。


そしてそれにより、まったく自然に驚くような心からの共感が湧き上がり、自分が自分を心の底から受け入れ癒すことが出来るようになるというゆるぎない現象(事実)があることからも、『自分を客観視すること』がどれほど大切で大きな効果があることかがわかります。(こういったセラピーでは、客観視しなければ根源的な効果が出てこないのです!!)


自分をしっかりと客観視して、自分の心の奥の思いもしっかりと感じて大切にしながら、どんどんと前へと私の個性のまま進んでいきたいと思っています。


あなたがあなたの個性を大切にされて、その個性のままのあなたらしい人生を謳歌していかれますことをお祈りいたします。


 
        


★講演会でもう少しお伝えしたかった大事なこと 2016.9.12

9月11日の講演会にご参加下さった皆様、ありがとうございました。


また、講演会に参加されていない方もちょっとお読み頂けましたらと思います。


お陰様で講演会の評判がよく、11月1日にまた一つ講演会が決まりました。詳細が決まりましたら、またご案内させて頂きます。


9月11日の講演会は今年からの講演会再開後3回目の会でしたが、今思えば、たくさんの講演会、お話し会をさせて頂いた数年前には「伝えたい!!」という思いばかりが強かったように感じています。今年からのものは、お話ししている時に私自身が何だか楽しくてエネルギーが奥底から湧いてくるという感じになっています。自分がよろこび、楽しみ、エネルギーを発していると、やはりそのエネルギーは聞いて下さる方々にどんどんと伝わっていくことが感じられます。


さて、表題のことについて少しお伝えさせて頂きます。


9月11日には、幼少期のトラウマについてだけでなく、過去世からのトラウマについてもお話しさせて頂きました。


ただし、世間一般では、過去世というと何だかうさんくさいものと感じられる方が多いと思います。幼少期のトラウマに焦点を当てた講演会に参加下さって、とてもよろこんで頂いたある方は、私が前世療法もすることやメルマガなどには霊的な体験のことも書いていますので、『とても今の社会に必要で大切なことをされているので、あまり目に見えない霊的なことは表に出されない方がいいですよ」とご自分の経験からご忠告下さいました。


ご忠告は大変ありがたかったですし、実は私自身も数年前までは同じように思っていたのです。


しかし、現場での長年の経験からは現に前世療法がとても効果を示すことがあるのを実体験で知っています。


前世・過去世については、私自身はそれがあるかないかということ自体や過去世で自分が誰だったかなどには、まったく関知していませんで、大事なことは、クライアントさんの心の奥にあるトラウマが幼少期の影響を解消しただけでは消えていかない時もあり、このパターンでは前世療法の流れで心の内を見て頂くとなかなか消えなかったものが消えていくということがあるという事実です。私はここも「実体験主義」を大切にしています。


とにかく、多くの方が心から楽になられることだけが重要なことだと思っています。ただ、前世についての理論自体も論理的にしっかりと説明が出来ることも確かです。


今の世の中では、「アカデミック(伝統的、格式的)」であることが正しい、善であると思っている方がほとんどで、それ自体は悪いことではないのですが、それが強くなっている場合にはその奥には、「多くの人に認めてもらいたい(もらわなければならない)」という思い込み・観念があり、さらに奥には子供の頃からの「愛されるためには周りから認めてもらえる存在にならないといけない」があります。(そして、愛をもらいたい対象人物は親で、子供にとっての一番はお腹の中で一体だった母親なのです)


とりあえず認めてもらってきた子は「周りから認めてもらうこと、認めてもらい続けることが大切」になって、図らずもそれが自分が存在するための目的になり、認めてもらえる出来る人として見られるためにだけ生きるようになってしまいます。また、認めてもらえなかった子は「認めてもらえない自分はダメだ」という思いを持ち、自分を卑下し責めることが習慣になってしまいます。


そして、いずれにしても心の一番奥には「(ありのままを)認めてもらえなくて悲しい」、「(ありのままを)愛してもらえなくて悲しい」という感情が子供の頃のまま処理されずにずっと残っています。トラウマは、こういった感情の抑圧が原因なのです。


この感情を癒やせていないと、愛されるために、安心を感じるためにアカデミックにしがみつかなければならなくなって、りっぱであること、りっぱに見られることに執着、固執してしまいます。私はこれを「アカデミックの呪縛」と表現しています。


しかし(やっと本題です(^_^;))、世界ではアカデミックの範疇では説明出来ない現象がたくさんあります。あるそういう霊的な死を超えた臨死体験から末期の全身癌が劇的に治った方がおられて本を出しています。


『「喜びから人生を生きる」アニータ・ムアジャーニ著 ナチュラルスピリット発行』です。


お伝えしたかったのはこの本の一節です。本をお見せして、ここを読もうと思っていました。


引用開始---------------------------------------------------------------------------------------

(アニータさんは、自分を責めて、まったく大事にしていなかったことが全身癌の原因だったと臨死体験の中で気づきました)

愛の存在であるとは、自分の魂をはぐくみ、自分の欲求を満たし、自分のことを後回しにしないことが大切だと気づくことです。この気づきによって、私は、いつも自分に正直になり、敬意や優しさを持って自分に接することが出来るようになりました。さらに、欠点や間違いだと思われることも、何の判断もせずに眺めてみて、無条件の愛の中での経験や学びのチャンスと考えられるようになったのです。

自分への愛が強すぎる場合はないのかと、よく尋ねられます。おそらく、自分勝手や利己主義との境界線はどこか知りたいのでしょう。それに対して私は、自分への愛が強すぎるということはないと答えています。境界線などはありません。利己主義は、自分に対する愛が足りないために起こることです。過度の不安や判断や条件づけに加えて、自分への愛が不足しているせいで、私たち人類だけでなく、地球も苦しんでいるのです。誰かのことを無条件に心から好きになるには、自分自身に対しても同じように感じる必要があります。自分よりも相手のことを深く尊敬しているというのは真実ではなく、単に口先だけのことだと思います。

自分が愛の存在でいる時、私は愛に枯れることはありません。自分が好かれていると感じたり、自分のすばらしさを分かち合うために、他人に特定の振る舞いをしてもらう必要もありません。私が本当に自分でいる結果として、彼らは自然に私の愛を受け取っているのです。私が自分に対して何も判断していなければ、他人に対しても同じようにするでしょう。

このような見地から、もし難題にぶつかったら、自分につらく当たらないことがまず大切だと学びました。たいていの問題の原因は、はっきりと目に見えるところにはなく、自分に対する批判が原因です。私が自分自身の最悪の敵になるのをやめて、もっと自分を愛し始めた時、周りの人たちとの衝突も自然に減っていきました。私はもっと寛大になり、受け入れるようになったのです。

引用終わり-------------------------------------------------------------------------------------


ここに書かれていることが、そのまま傷ついたインナーチャイルドへの癒しと同じことです。


自分が自分を心から愛すると、もう自分以外の外からの人や物、事で愛をもらわなくても、自分一人でいても心からの安心感が出るので、一人の状態で安定してしまうのです。


アカデミックでいいますと、出来ても出来なくても自分がありのままの自分を認め、愛しているので、周りからどう見られようが安心していて気にならなくなり、ありのままの自分として力を発揮していけるようになります。


それから、その安心感は周りに自然に伝わって行きます。まず、最初につながり、大切に扱うべきは自分自身なのです。他の人との関係においても、自分とつながれるからこそ、自分以外の他の人と心からつながることが出来るようになります。


また、自分が心から安心しているので、もしも何かよくない出来事があったとしても、それに心が動かされて強く影響されることがなくなります。


臨死体験をされた方の本はたくさんありますが、アニータさんの体験は特に興味深いです。この本は、とってもよい本です。これからの時代の生き方、大事なことを示してくれるものだと感じています。ご興味のある方はぜひ!お読み下さいませ!!


 
        


★思いは実現する。思いの通りにまた講演会の依頼をいただきはじめまし 2016.6.28

今年の元旦に、「今年後半からは、(4年間)しばらくお休みしていたお話し会や講演会も再開していこうと思っています」と書きましたが、自然な形で6月から急に講演会の依頼をいただきはじめ、今のところ4つの会が決まっています。


ほんとうにありがたいことだと感じています。


講演会はずっと前にも、単発で何度かご依頼いただいたことはありましたが、本格的な流れは、2010年前半のある日に「我欲からの自分のことではなく、ただただ世のため人のためになりたいと思っています。セラピーの現場で皆様から教えていただいてわかったことを多くの方にお伝えしていきたいです。私にもしそのお役目がありますようでしたら、どうぞ、お役に立たせて下さい!!」と心から天に向かってお伝えしました。


不思議なことにその3日後ぐらいに、お会いしたことがない方から電話がかかってきて、岡山県倉敷市PTA連合の年末総大会の講演会をしてもらえないかと依頼がありました。心からの祈りは通じるという経験は今までもしていましたが、こんなにも早くそのような劇的なことが起こるとは思ってもいませんでした。


400人ほどが集まられた会を終えて控え室にいると、何人もの方が話しがしたいと控え室前に行列をつくっておられたようで、時間の関係があって全員の方とはお話しが出来なかったのは残念でしたが、数人の方とは短いながらもお話しをさせていただけました。


この時の講演会のことは、「とてもよかったです」という感じのご感想を聞いて下さったご本人から直接いわれたり、それを知り合いから聞きましたといわれたりすることが今でもあります。


ここから、講演会やお話し会、ワークショップなど、いくつものご依頼を立て続けにいただきました。


そして3年ほど経過した時に、自分の中で今の段階でお伝え出来ることの限界を感じましたので、「一旦講演会は止めよう」と思いました。すると、決まりかけていた2つほどの会もなぜか急に立ち消えとなりました。


この世では、自分の思いが現実を創っていくといいますが、講演会に関するこの3年間の始まりも終わりも私の思いがその通りの流れをつくっていきました。


そして今年も、時期もぴったりに思いの通りに実現して行っています。


3つの会(内一つは終了)は内輪での集まりの会です。もう一つは、どなたでも参加いただけるオープンな会ですから、詳細はまたお知らせをさせていただきます。


一つ終わった会は保育園さんでの会でしたが、園長先生や参加下さった方からの感想もとてもよくて安心しました(*^_^*)


今は4年前よりも、その後の期間で、セラピー現場での経験もすべて体験し終わってとりあえず完了したと感じていますし、私の中の何かがすごく整理されていますので、自分でいうのも何ですが、準備も何も必要なく(でも一応準備はしていますがf(^_^;))、静かに落ち着きながらなんだか言葉にエネルギーがすごく乗るようになっていることを感じています。


子育てや教育現場の方向けのお話しだけでなく、色んな方に向けてのお話しが自然に出来るようになっていることを感じています。これも今までセラピーを受けて下さった多くの方々のお蔭です。


一般向けの講演会は9月11日(日)の予定ですが、インナーチャイルド療法と前世療法により、あらゆる環境におかれていたほんとうにたくさんのクライアントさんが心の奥を見ていくためのお手伝いをさせていただいた経験からハッキリとわかった、実はとってもシンプルな人間の心のことと、人間が生まれてきた意味、その根源についてのお話しをさせていただこうかなと今思っています。


後日また案内をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。


この世は「意識」で成り立っていることを感じます。


意識や思いが物事を形づくっていきます。


意識や思いをよりよく活用して、よりよい世界を実現させて行きましょう!!


 

       

★子供への視線を合わせることの大切さ ~「動画」NHKサイエンスZERO『コミュニケーションの根源』 2016.6.18

以前にNHKで見た番組がすごく興味深く印象に残っていましたので、ネットで探してみるとYouTubeにありました!!


NHK番組 サイエンスZERO『コミュニケーションの根源/自閉症スペクトラム最新情報』です。


親は自分の子供に対して必ず愛情を持っていますが、その愛情は子供自身が親から愛情をもらったと感じ実感しなければ、それは愛情が与えられたことにはなりません。


小さな子供に、最初に伝えやすい愛情表現は「子供に視線を合わせる」ということです。


そして、子供が親からの視線をしっかりともらえなかった場合には、自閉法スペクトラム(アスペルガー・自閉症)や発達障害などが出て来る可能性を示唆しています。


このあたりのことをとても分かりやすく実験を踏まえて説明されているいい番組です。


ご興味のある方は、ぜひ!見てみて下さいませ。



~番組の紹介文~


携帯、メール、ソーシャルメディアなど、様々なコミュニケーションがあふれる現代社会。


実は、人とうまく関われないという悩みを抱え、専門医まで訪れる人が増えているって、知っていましたか?


最近、コミュニケーションの最新科学研究から、こうしたコミュニケーションの問題が、元をたどると赤ちゃんの頃にまで遡ることがわかってきました。


意外にも赤ちゃんの頃の「あるもの」の使い方が、その後の対人関係のあり方に大きな影響を与えるというのです。番組では様々な実験を通して、コミュニケーションの不思議を徹底解剖。


さらに、対人関係がうまくいかないという、最近注目の「自閉症スペクトラム」という症状の最新研究にも迫ります。


↓↓↓

NHKサイエンスZERO『コミュニケーションの根源/自閉症スペクトラム最新情報』





★過去のトラウマを癒すことは、必要のないことなのだろうか? 2016.5.1

先週から、今年のトラウマ統合療法セラピスト養成講座ベーシックコースを開始しました。


今回の記事はちょっと専門的なことも入っていますが、そのテキストの中から少し抜粋、加筆をして、最近気になっていることについてお伝えしていきたいと思います。ちょっと長いですが・・・f(^_^;)


トラウマ統合療法は、インナーチャイルド療法と前世療法を使った私独自のアプローチ方法を加えた「象徴的イメージ療法」ともいえる心理療法です。


セラピーにおける近年の時流は、「トラウマはない」、「過去にアプローチする必要はない」という流れになっています。


そうなっているのは、この考え方が「嫌われる勇気」という本がベストセラーになって脚光を浴びたアドラー心理学が提唱している理論で、それが全体に波及しているからではないかと思われます。


また、トラウマや過去のことを感じるのを嫌がる人が増えていることも間接的な理由に挙げられると思います。


では、ほんとうにトラウマはなくて、過去を扱うことは必要のないことなのでしょうか?


ここに、人間の心にはトラウマが存在し、過去からの影響はあるということを証明できる心理療法の現場からわかったシンプルな事例を二つ挙げてみます。



(1)フラッシュバック(日常で何度もよく思い出す過去のつらかった出来事。ここでいうフラッシュバックは事故や震災などでのPTSD〈心的外傷後ストレス障害〉ではなく、子供の頃の原家族とのトラウマを負った出来事のことで、無防備な子供の頃からのもの)は、セラピーで一回アプローチして癒すと、もう二度とそれをフラッシュバックすることがなくなる。



(2)セラピーの中で、子供の頃の過去の出来事がもう過去に終わってしまったことということがわからなくなっていて、まだ続いているという感覚を持っている人がとてもたくさん存在する。



(1)の「フラッシュバック」は、一般的な心理療法では難しく慎重に扱うべき症例としてストレートに扱わないことが多いです。


フラッシュバックがあること自体が過去からの影響が存在するという証明になるのですが、私の長年の経験ではここに一度アプローチして癒すと、(記憶としては当然なくならないですが)その過去のつらかった思いはまったくなくなってしまって、もう二度とその出来事をフラッシュバックしたり、わずらわされることがなくなります。


このフラッシュバックするということは、ほんとうは潜在意識が「この出来事はもう処理していいですよ」といっているに過ぎません。


もしもそうではなくて、隠しておきたいことなのであれば、潜在意識は逆に意識下に沈めて思い出せないようにします。


これが解離(トラウマを負った時にもうこれ以上傷つかないよう、心が不安定にならないようにするために生存本能として脳が感じることを麻痺させたり、忘れさせようとする防衛システム)です。


東日本大震災に遭った特に若い方たちは震災の記憶をなくしたり、おぼろげになっている人が大変多いと聞きます。


この方たちの潜在意識は、「もう少し時間をおきたいので、今はそれを思い出さないで」といっているのです。


ということは、事故や震災のショックが解離されていない人はそれを処理できる(していい)タイミングであり、子供の頃からのつらかった出来事が意識に上がってきている人は、それをもう癒す準備が出来ていてその時期が来たということであるだけなのです。


このことに気づいている専門家は少ないのではないかと感じています。


(2)の「過去に終わったことと思えない」は、過去の出来事がもう終わっていることとわかっていなくて、今現在も進行中であると感じていて、頭ではわかっていても(わからない人もおられますが)感覚的には終わったという感じがしないという人が驚くほど多いです。


初めてこういう方がたくさんいるという事実に気づいた時には、とても驚いた記憶があります。


こうやって、人間の脳は過去の出来事から感じた「感覚」を処理できていないと、いつまでも刻印するように脳の中に残してしまうという事実があることが現場での経験からわかりました。


そして、過去のその出来事の時に感じた「感情」も処理が出来ていない(してもらえない)と、「感覚」と同じようにこの場合には心に刻印されるように残ってしまいます。


少し例を挙げて説明します。


仕事をバリバリとやってたくさんの結果を出しても満足できないというクライアントさんがおられました。


この方は、「自分しか出来ない仕事がしたい」という思いを持っていましたが、その奥には「人から評価されなければならない」という思いがありました。さらには「認められたい」という欲求と、たくさんの人から認められているという紛れもない事実があるのに、「認められない自分には価値がない」という思いがありました。


そして、そこにはやはり、認めてもらえなかったと強く感じた過去の出来事が存在しました。


人間には必ずこういう原因が存在しています。


ほとんどの場合、それが親との関係から持ってしまい、この方の場合、「どれだけがんばっても、親がまったく認めてくれなかった」という過去のその時の「感覚」が脳に残り、その時に感じた「認めてもらえなくて、悲しい」という「感情」が心に残ってしまって、外から見るとわかりませんが、その人の意識の中では終わった感じがなくてその時のまままだ続いていたのです。


このような処理していない過去からの「感覚」と「感情」を残していると、いくら仕事で成功していても、人からよろこばれていても、色んなことがうまく行っていても、その人の内側ではまだ終わっていないので、その現実を受けとめられなくなってしまいます。


このようなことがとても多く(実はほとんど)の方の内側で起こっているのです。


以上のような二つのことだけから見ても、人間には過去からの影響が明らかにあり、それがトラウマになっているということがわかります。


そして、それを癒すことでその人は過去からの影響が解放されて消え去り、まるで生まれ直したように、本人が驚くほど生きることがとても楽になっていきます。


では、なぜアドラー心理学では「トラウマはない」、「過去にアプローチする必要はない」と主張するのでしょうか?


アドラー心理学の提唱者はアルフレッド・アドラーといわれる方で、アドラーさんは心理学の大家であるフロイトさんやユングさんと1900年初頭、共に勉強をした同時代の人です。


この時代には、インナーチャイルド療法や前世療法などの過去を癒す手法はまだ開発されていませんでした。


トラウマや過去の影響を治療するすべ自体がなかったのです。


ですから、そこを扱ってもどうにもならないし、扱っても適切に対処できず悪化してしまうだけですので、トラウマや過去の影響はないものとして「今を生きる」ことに焦点を当てて行ったのだと思われます。


でも、だからといって私はアドラー心理学を否定していません。


私はアドラー心理学はとてもよい手法だと感じています。アドラー心理学については、また改めて書こうと思っていますが、その理論の中でも特に「共同体感覚」については、アドラーさん自身もいわれていますが私もこれがもう究極の考え方、捉え方だと感じています。


これこそが人類が身につけるべきものというか、元々持っているものなので発露させるべきものだと感じています。

※共同体感覚とは、他者信頼、自己信頼、所属感(居場所がある)という思いを感じて、人間が全体の一部であること、全体とともに生きていることを実感し、全体を意識しながら行動しようとする思い、感覚のこと。



ですから一番いいのは、よりよく「今を生きる」ことをしながら、「過去からの影響とトラウマを癒していく」ことが人間の心のバランスをとっていく上ではとても理想的なことではないかと思います。


そして、過去をしっかりと癒していくためには、過去からの「感覚」と「感情」というこの二つのものに焦点を当てて行き、処理することが大切です。


(脳に刻印した)過去からの「感覚」を処理する有効な手法には、NLP(神経言語プログラミング)が代表的なもので、他にそれから派生した様々な手法があります。

※NLPとは、セラピーの分野で有名な催眠療法家のミルトン・エリクソン、ゲシュタルト療法のフリッツ・パールズ、家族療法家のバージニア・サティアという3人のセラピストのセラピーを分析し、共通のパターンをまとめた手法。



しかし、(心に刻印した)「感情」については、これほど人間にとってややこしいものはなく、それをコントロールしようとする方法は存在しても、過去からの「感情」をしっかりと焦点を当てて解放し、それをクライアント自身で安全で根源的に処理していく手法は、長年の私のセラピー現場からの経験、実績から見ても、インナーチャイルド療法以外にはないのではないかと感じています。


「感情」は、子供の頃に見ないように隠して、感じないようにすることで、刻印するように残ってきたものですから、しっかりと解放するには(安全に)それに向き合って「感じる」のが矛盾がなく、論理的で一番適切な方法であることがわかります。


それから、このインナーチャイルド療法は、同じような名称がついていてもすべての方法が同じな訳ではありません。


あるインナーチャイルドを癒す方法では、チャイルドに重なりながら、子供の頃の自分として感情を感じていきますが、この方法だと解離状態の中に、はまったままでその状態の範疇にいるので、深い感情は出てこない(出さない)ようになっています。


これは自分一人で感情を感じて解放しようとする場合も同じです。


また、この方法では、セラピストが母親のような口調でチャイルドに重なったクライアントに話しかけて誘導することが多いです。


クライアントはそれによって安心感を得てはいくのですが、次第に安心をくれるセラピストを理想の母親として求めるようになりやすいです。


そうすると自分が自分自身を癒していく流れではなくなります。

(ただ、私はそういうやり方も否定している訳ではありません。受ける方の状態によって、こういうアプローチ法が適切である場合もありますから。余談ですが、もしこういう方法を使われているセラピストの方で、もう少し深くアプローチをしていきたいと思われるようでしたら、以下のことをご自分でちょっと実験、検証してみて下さいませ)


トラウマ統合療法のインナーチャイルド療法では、イメージでチャイルドを一貫してずっと客観的に見ていきます。


客観視することで、過去の自分が置かれていた状況全体を理解することが出来るようになります。


NLPなどではこれを「メタ認知」と呼んでいますが、とても簡単に説明すると、人は自分自身のことはあまりわからなくても、他の人のことは意外とよくわかることからも、このことが理解できると思います。


置かれていた状況がわかると、その当時にほんとうは感じていた感情にも気づきはじめて、心の奥から感情が浮き上がってきます。


浮いて来た感情はフラッシュバックの原理と同じですから、すでに解放される準備が出来たものにしか過ぎませんので、例えこの感情がどんなにも深く重たいものだとしても、またそれが深く重くあればあるほど、クライアント(大人の自分)に共感する感覚が自然に湧き上がってきて、クライアントさん自身でそれをありのまますべて受けとめることが出来るようになります。


感情が出て来るそのタイミングで子供の頃の自分を客観的に見ていれば、例えそれが、自分では到底受けとめられないと思ってきたような深く重い感情だとしても、まったく自然にクライアントさん自身で安全にスムーズに受けとめることが出来るようになります。


というか、受けとめたくてしょうがなくなり、自然にチャイルドを心の底から受けとめてしまうのです。


トラウマ統合療法では、この流れが出てきた人は(変な例えですが勝利の方程式として)例外なく100%全員がその方自身が驚くほどに楽になります。


トラウマ統合療法でのインナーチャイルド療法の一つの大きなポイントは、『チャイルドを終始一貫して客観視する』、『しっかりと「感情」にアプローチする』というところです。

(前世療法についても、トラウマ統合療法でのポイントがありますがここでは割愛させて頂きます)


生きづらさを感じながらも、過去のことを感じていくのはしんどい、嫌だという人も多いと思います。


ただ、ほんとうは過去からの感情は消えるために浮いて来るのに、それを止めてしまうから生きづらさがなくならないだけでなく余計に苦しくなってしまうのです。

(それでもやはり、過去のことを感じるのは嫌だと思われる方は、それは何も悪いことではなくてそれでいいのです。それが今、その方にとっての正解です。潜在意識は自分に向いている方法、癒すタイミングを一番よく知っていますから)


そして、浮いてくる感情の深さ・重さと、自然に共感して癒し楽になって安心感を感じる強さは比例します。


自分が自分自身をありのまま受けとめ、癒すという行為により、他の何者にも頼ったり、依存することもなくたった一人でいても自分の心の内にとても深い安心感、安定感が自然に確立されていきます。


「共同体感覚」でいえば、自分が自分自身を心からありのまま受け入れることで、「自己信頼」が出来るようになります。また、自分をありのまま受け入れ愛することで、「所属感(居場所がある思い)」が自分自身の内側で感じられるようになります。そして、自分を受け入れて信頼し深く安心していることが土台となり、自然に「他者信頼」をすることが出来るようになります。


そうやってはじめて、アドラーさんが究極として求めた「共同体感覚」も自然に発露されていきます。「共同体感覚」は、理論として頭でわかっても、それを感じてそのように行動することは残念ながらどんなに努力しても、心からは出来ないのです。


これからの時代は、人間の本来持っている精神性、霊性を発露し、共同体感覚を発揮していくことが重要になってくるとヒシヒシと感じています。


そのためのサポートの方法は、セラピーやカウンセリング、ヒーリング、ボディワーク、ダンス、整体、リーディング、占い、芸術・・・・・・等々ほんとうに様々なものがありますが、私は結局はそのどれもが根本では同じところを目指しているのだと感じています。


人間には様々なタイプがありますので、様々な人に対応するために様々な方法が存在しているのだと思います。


今、世に存在するどの手法もすべて大切な手法です。


みんながそれぞれの受け持ち分野で、様々な人に対応するために役割分担をしているのだと感じます。


私も私の受け持ち分野を楽しみながら全うしていきたいと思っています。


私のセラピーやセラピストの養成が微力ながら人間の精神性、霊性発露のための一助になれることを願っています。





★「心からの欲求」と「我欲の欲求」 2016.3.21

このところ、『我々はなぜ今ここに生きているのだろうか?』という哲学的命題といえる問いについて考えることがあります。


日々の心理療法の現場での人の心の奥深いところに触れさせて頂いてきた貴重な実体験で、私なりの答えは出ているのですがさらにそれを明確なものにしたいという欲求が私の中にあることを感じています。


この問いを例によって言語化していってみますと、私にとって『人はなぜ生きるのか?』は『生きる目的は何か?』という問いかけと同じもののように感じていることが改めてわかりました。


つまり、私にとっては生きることには目的が必要だと感じていたことに気づきました。


生きるためには、ほんとうに目的が必要なのだろうか・・・?


そこに思いをはせてみると、動植物など自然の法則の中で純粋に生きている生き物たちは当然のことに生きる目的など考えていなくて、ただ本能に従って生きているという事実に突き当たります。


万物の霊長といわれる人間も自然の法則の中で生きている生き物なのですから、自然な流れに従うべきではないかというのが私の考えです。


ですので、人間も同じような感じで本能というか自分の「心からの欲求」にしたがって生きればいいのだと感じます。


でも、本能に従うとは、やりたいように思いのおもむくままに生きればよいのでしょうか・・・?


人間の欲は食欲、性欲、睡眠欲と大きく分けると三つあるといわれています。


これが動物としての基本的な欲求だと思います。


人間には他にも、あれがしたい、これがしたい、こうしたい、こうなりたいなどという様々な欲求があります。


あるいは、自分が何をしたいかわからないと自分の欲求を感じにくいという人が多いのも事実です。


私は欲求が何かを感じようとする時やそれを満たそうとする時には、気をつけた方がいいことがあると思っています。


例えば、親に迷惑をかけないように、人から嫌われないように、などと過剰に人に合わせて「いい子」をし過ぎてきた人は、そのために自分を抑えて抑圧してきたものが大きいので、それが解消される時には「反動」として逆の方向に振れていきます。


「いい子」の反動は、「悪い子」として表現しようとする欲求が出て来る場合がとても多いです。


しかし、「悪い子」という形だけを見れば、多くの人はそれはよくないこととして判断しがちですが、「悪い子」をしているその人の中では「いい子」に振れた過度の(+)を解消するために、「悪い子」という(-)に振れて(±0)にして安定しようとしているだけですから、ほんとうはそれはとても自然に則したやり方だといえます。


これは「反動の欲求」と表現することが出来ます。


そして、純粋な反動として解消する上では、その行為を行っている時に「満足感があるかどうかを感じる」ことが大切です。


ここを気をつけていないと、人によっては反動に飲み込まれて、抑圧してきた怒りでめちゃくちゃな出し方をしてしまう可能性もありますし、解消しているつもりでも逆にその中にはまり込んで、解消しきれない状態がずっと続いてしまうこともあるからです。


心理療法の現場では、こういう状態に陥ったクライアントさんが来られることもあります。


行っていることが(±0)にしてニュートラルになるための純粋な「反動」と違う場合には、自分の内側や外側が何か濁ったようなスッキリしない感じになりますので、それをしっかりと感じてチェックすることがとても重要なことだと思います。


今、こうやって書いていて、ふと思い出したことがあります。


それは性的な欲求についてのことです。


もうずいぶんと前のことですが、ある男性のクライアントさんが来られて、玄関で顔を合わした途端に感じたことがありました。


雰囲気(オーラ)がかなり濁っていて、1m以内に近づくのも気持ちが悪いほどになっておられました。


この方は結婚されていましたが浮気していることがわかりました。その浮気は、性欲を満たすためだけのものであることも感じました。


セッションではいつもの通り誠心誠意対応させて頂きましたが、「性欲(情欲)」が過剰になってしまった人のオーラはこんな風に汚れてしまうということを身をもって教えて頂けました。


この方ご自身も、ほんとうはそのことで心も体も相当に重苦しく、しんどかったことだろうと思います。


この方が心から求めていたのは、ほんとうは性的な満足感ではなく、心の充足感、安心感だったのだと感じました。


ただ、私は不倫が絶対に悪いものだとは感じていません。


この世は体験のための場だと感じていますので、不倫に限らず一般常識から外れることだとしても、その人がそうすることで「心からの満足感」を感じて、「罪悪感」もないのでしたら、それはその人にとって必要な体験するべきことになるのだと感じています。

(もしも、不満足感、罪悪感を感じるのでしたら、その行為は行わない方がいいと思います。なぜなら、相手の方もさることながら、何よりも自分自身の心や魂がダメージを負いますから)


人間は「心からの欲求」に合致していることを行っていると、必ず清々しいすっきりとした心地のいい感じがします。


人間の気持ちには、自分にとっては何がよりよいことか、何が違っていることかを教えてくれるとってもシンプルで便利な機能があるのです。


行っていて、清々しい心地よさを感じない欲求は「我欲の欲求」といえます。


また、「心からの欲求」(この中には純粋な「反動の欲求」も含まれます)と思っているものが、実は「我欲の欲求」から出てきていることもあります。


それは例えば、親切な思いで「人のために」と行っている行為が、実はそうすることで自分が必要とされる人間になろうとしたり、自分の価値を高めようとする思いなどの「我欲」から出ているということなどもあります。


この場合そこには、自己価値の低さ、名誉欲、安心感の欠如などネガティブな思いが隠れています。


このような時には、その奥に「トラウマ」の影響があります。


人間の心の奥には、トラウマが故に気づかないうちに色々な思いや観念がとりあえず自分を安心させるために存在するようになりました。


今、時代の流れがひと月前よりもさらに進んでいるのを感じています。


この流れは、今『まず自分を整理していくこと』を求めているように強く感じるのです。


また、セッション現場での実感から、自分を整理しようとしているクライアントさんは、心や体の中に溜めてきたネガティブなものが解放されるスピードがすごく速くなっていることを感じています。


やはり、今年は分岐点です。とても大切な年となりそうです。


自分の思いや欲求が整理、理解出来ると、溜め込んできたものが解放されるスピードも速くなり、人生の流れが自分にとってよりよい方向へと進みはじめますよ。


『あなたの「心からの欲求」は何でしょうか』


『あなたは何をする時に心からの満足感やよろこび、心地よさを感じるのでしょうか』


あなたの最善のスピードで解放が起こり、あなたらしい人生の流れへと乗って行かれることをお祈りいたします。





★ひとつの感じ方 2016.2.17

昨日の夜寝る前のことです(*^_^*)


今、さらに自分が成長していける時が来ていると感じる。


どんどんどんどんと成長したい!!


出来る自分になるためではなく、ただ成長することをただよろこび、ただ味わうのは心地いい。


成長する一歩手前の時は、壁にぶつかる。何かが行き詰まった感じがする。


でもこれは、成長する大チャンス!!!


それは、自分が今どのような状態にいるのかに気づいたということ。


忙しさに紛らせて気づかなかった。見ていなかった。


おお~、自分は今ここにいたのか~。 よし!先に進もう!!


『体を感じてみると、壁や行き詰まり感(ネガティブ感情や違和感などもそう)につながるものはどこにある?』

今は、眉間のところにあるんだな。


『そこの何が気になっているんだろう? 何に引っかかっているんだろう?』
『そこは何を言っているのだろう? 何を思っているのだろう? 何を感じているんだろう?』


・・・・・・・・・・・・・・・・・


そうか!そういう思いがあったんだね。


最近のことからのものだけと思っていたのに、子供の頃からの思いにもつながっていたんだ。あれ、これは遙か昔からもあったんだ。(ふと、記憶にない子供の頃のものや過去生からと感じるものが出て来ることもある。そういうものは否定や判断をせずにただ受けとめる。すると、感じる力が強くなる)


教えてくれて、ありがとう!!よ~く、わかったよ。


もう隠さずに、受けとめるよ。ただただ、その思いを認めて、感じるよ。


額がこんなに重くなるぐらいあったんだね・・・。


ノートにもしっかりと書き出そう。


もう隠さずに、感じよう。(そこに、浸らず、はまらずにただ客観的に感じてみる)

・・・・・・・・・・・・・・・・・


今朝、一つまた何かが抜けた心地のいい朝を迎えられました(^_^)





★思いや感情を言語化して、思考パターンに気づくことの大切さ 2016.2.9

心をまずはじめに楽にしていくための方法は色々あると思います。今回は、その一つを少しお伝えさせて頂きますね。


もうずいぶんと前のことです。


その方は県外から来て下さった男性のクライアントさんで、子供の頃の家庭はかなり大変な環境でしたが、セラピーやカウンセリングやヒーリングなど、心を癒すための個人セッションは受けたことがないという方でした。


私のところで生まれて初めてのセラピーを行っている中で私が気づいたことは、幼少期の家庭環境からの影響でトラウマがかなりあるはずなのに、なぜか思うほどの影響が残っていなかったのです。


このようなことはまずないので、不思議に思ってお聞きしてみました。


すると、『ここ何年かず~っと、日常で自分が感じた思いや感情をとにかくノートに書き出していました』とお話し下さいました。


そう。自分の心の内側にあるものを書き出して整理していくという作業には、大きな効用があるのです。


私の場合にも、セラピー現場での経験からのトラウマの理論や心の流れなどは頭の中にすべて入っていますが、それが自然に出てくるかといえばそうでもなく、質問を受けなければ出てこないものもたくさんあります。


最近は、私自身もそういうものを言語化して文章として書き出しています。


そうすると、前よりもさらに思考や直感が明瞭になってきて、トラウマ理論もどんどんと整理されて深みが増してきました。


それと同時に、セッションもさらに上達して行っています。この明瞭化と上達には、自分でいうのも何ですが私自身が驚いてしまうほどです。


それから、言語化することは心が整理されるだけでなく、誰もが持っている思い癖である思考パターン(観念、思い込みともいえます)にどのようなものがあるのかに気づきやすくなります。


心が整理され、思考パターンに気づけば、それだけでも心が楽になっていきます。


例えば、「自分は注目されない存在だ」という思考パターンを持っているとします。


それがあることに気づくとさらにその奥にあるものに気づきはじめます。


「やっぱり、誰も自分に注目をしてくれない」と自信をなくしていた数々の場面が、ほんとうはこの「自分は注目をされない存在」という思いで自分にレッテルを貼り、自分から気配を消して周りから引いていたことに自然に気づきます。


心の奥にあるそういう思いで自分から引いていたので、注目を浴びられないという現実が現れるように自分から仕向けていたのです。


人間はこうやって、無意識のうちにも、自分が見たい現実を自分で創り出しています。


自分から仕向けていたのですから次には、その都度ただその思考を出来るだけやめようと意識していくだけでいいのです。


(その奥には、「注目されても、しばらくするとどうせ嫌われてしまうのではないか。嫌われるのが恐い」という恐れの思考パターンが存在しています。さらにはそこに、「嫌われた!」「悲しい!」という思いや感情を強く感じたトラウマを負った出来事が終わったことなのに処理が出来ていないために、根本原因としてまだ脳や心の中に残っているのです)


これぐらい、思考パターンは人間の無意識に影響を与えます。

こういうパターンから脱却するための一つの方法が『感じている思いや感情を紙に書き出してはっきりと言語化する』ことです。


方法としてはとにかくただただ、「自分が今どういう状況の中にいて、どう思っているか、どう感じているかを感情的にならずに冷静に客観的に淡々と書き出していく」だけです。


そうすると、その思ったこと感じたことの中に必ず思考パターンが入っています。


ただし、あまりこういう整理をしたくない、置かれている状況をどこかではっきりさせたくないという方もいらっしゃると思います。


そう思う場合には、過去からのトラウマの影響が強く残っており、それをはっきりとさせると不安になってしまうので、そうならないようにして心や感覚を麻痺させた「解離」状態になっています。


しかし、これは悪いことではまったくありません。(実は、強いか弱いかの程度の問題だけで、ほとんどの人がこのような解離状態になっています。そのために『感じる』ということが苦手になって、頭の言い分と心の言い分に食い違いが出て来るのです)


このやり方は、子供の頃から行ってきたもので、子供の頃にはその方法は身を守るために絶対に必要な最適な方法でした。


それが大人になった今も、習慣として残っているだけですから、「自分は今は整理をしたくないんだな」とその思いを理解しているだけでいいですよ。それを癒していくのは、後は時期とタイミングの問題だけですから。


ただ、整理をしたくないという思いがあまりにも強い方の場合には、実はここには、過去世・前世の影響が強く残っていることが多いです。(このあたりの「解離」や「前世」のことはまたお伝えさせて頂こうと思います)


私が心血を注いできたほぼ20年におよぶ長年の経験から確信していますのは、人間の心の中には様々な影響が残っていますが、ほんとうはただそれを「経験・体験したい」と魂が望んだだけなのだということです。


そして、その経験を最後に完結させるものが経験を「整理し、理解する」という作業です。


経験が処理され、完了されると、それは「叡智」や「深い知恵」といえるものに昇華していくのだと感じています。


別ないい方をすれば、経験を処理、完了させると自分の根源的な深い部分である「魂」とダイレクトにつながれるのだと感じています。


経験を完了させ、昇華していきたいと思われる方は、この一つの方法を気軽にちょっと行ってみて下さいませ。


そして、より早くそこにつながっていきたいと思われる方は、よろしければトラウマ統合療法をお受け下さいませ。


あなたがあなたの中心とつながられることをお祈りいたします。





★2016年を迎えて
 2016.1.1

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。


このホームページをご覧頂きまして、ありがとうございます。


何か時代の流れというかすべての流れにおいて、方向性や生き方を明確にして、そこにベクトルをしっかりと定めていくことが大切な時期にどんどんと入ってきている感じがしています。


この過程においては、生き方や仕事なども変わってこられる人も増えてくるかもしれません。


私自身においては、心理療法の仕事を始めて今年4月で19年目に入ります。


長年、老若男女、あらゆる職業の方々、あらゆる家庭環境の方々、ほんとうにたくさんの方と接しさせて頂いてきました。特に、お会いさせて頂いた方々の置かれていた家庭環境でいいますと、本や専門書に出ているような事例をすべて網羅していて、出会ったことがないような環境の方はほとんどおられないのではないかと感じています。


これらの大変多くの方々に、全身全霊で向き合わせて頂いてきたこの貴重な経験により、人間の心的活動におけるすべてのことがはっきりとわかりました。今、それを分かりやすく整理し文章化して、知ってしまった者の義務としてその原理を多くの方に余すところなくお伝えしていきたいと思っています。ホームページで説明している文章なども、新しくしていこうと思っています。


また、今年後半からは、しばらくお休みしていたお話し会や講演会も再開していこうと思っています。


昔は、人生50年と表現されていましたが、私はそれも数年過ぎ、後どのくらいこの世で生きられるのかが現実感を伴って実感する年齢となりました。


形はその時により、少し変わっていくかもしれませんが、後15年は第一線でがんばっていきたいと思っています。


そして、今年から徐々に、今までしっかりたくさん蓄えてきたものを『アウトプット』していくことに力を入れていこうと思います。


皆様におかれましても、今年がよりよい年となられ、天命(ご自分が行っていきたいと思うこと)を生きていかれますことをお祈りいたします。





★超おすすめの本! 『ちゃんと泣ける子に育てよう』
 2015.12.22

『ちゃんと泣ける子に育てよう 親には子どもの感情を育てる義務がある』大河原美以著 河出書房新社
 

この本はとってもよい本です!!一家に一冊置いておいた方がよい本だとも感じています。私は今まで仕事上、心理関係の本はかなりの数読んできていますが、この本はそれらの中でもNO.1の本だと感じています。


驚いたことに、この本で子育てとして説いていることと、私がセラピー現場で気づいていったことが同じでした。


ここからは、この本の内容と共通しますが、私の気づいてきた独自の言葉として大事なことだけ少し説明させて頂きますね。


親が子供の感情をありのまま受けとめてあげられると、その子の心は安定します。逆にいいますと、親が子供の感情をありのまま受けとめてあげられないと、その子は不安や恐れを感じます。それが続くと、子供は心にトラウマを負ってしまいます。


このように、簡単にいいますと「トラウマとは安心感の欠如」なのです。


子供が親から愛情をもらうと、心に安心感が生まれます。私は子供にとっては、「愛情=安心感」と感じているのだと思っています。


しかし、親が自分の子供にいくら愛情をたくさん与えていると思っていても、子供自身が愛情をもらえたと感じなければ、それは愛情を与えたことにはなりません。どの親にも必ず子供に対する愛情がありますが、残念ながら、それがうまく伝わっていない場合がほんとうに多いのです。


ちょっと例をあげてみます。親が『勉強が出来て、いい学校に入れるとしあわせになれる』という思考(思い込み、観念)を強く持っていると、その親は子供にその子への愛情として、「勉強しなさい!」といいます。


勉強が出来ることはとてもよいことですが、いつもいい点が取れるとは限りません。でも、『勉強が出来ることがしあわせにつながる』という思考を持った親にとっては、いい点を取ることしかしあわせにつながることにはならないので、いい点を取った時には(とりあえず)ほめてあげられますが、あまりよくない(親がそう思う)点数を取った時には、「自分のかわいい子供がしあわせになれない」、場合によっては「自分が出来ない人と見られる」、「ダメな親と思われる」などと感じ子供を受け入れることが出来ません。


そうすると、子供は「いい点を取らなければ、親から愛されない」という思考(思い込み、観念)を持つようになります。この子は、とりあえず愛情をもらい、安心するためには、いい点を取るしかなくなってしまいます。そして次第に、この子の人生は、「いい点を取るための人生」になっていきます。


でも、子供がほんとうに欲しいのは、いい点を取れた時も、取れなかった時も、ただただ自分のありのままの存在を受け入れて、愛して欲しいだけなのです。


「ちゃんと、泣ける子に育てよう」とは、子供のありのままの思い、感情をただただ受けとめることです。


子供が自然に感じてしまう、「うれしい」、「楽しい」、「好き」、「わくわくする」などのポジティブな感情とまったく同じように、自然に感じてしまう「悲しい」、「さみしい」、「嫌い」、「腹が立つ」、「恐い」などのネガティブな感情も、ただありのまま受けとめてあげると、子供は心からの安心感を感じます。幼少期にその回数が多ければ多いほど、その子の心には安心感が定着して、もうそれは一生消えないものとなります。


これをもらえなかった子供は、ありのままでいれずに安心できていないため、周りの物事や人にしか意識がいかなくなり、「自分としてどうしたいのか」、「どう感じているのか」などという自然な自分の思いを感じることが出来なくなります。そうして、生存本能としての脳の防衛システムが働き「不安を感じないように、心が不安定にならないようにするために生きる」ようになるのです。


ちゃんとありのまま感じたままの感情を受けとめてもらった子供は、心が安心安定し、トラウマを負いません。


例に出した、『勉強が出来ることがしあわせにつながる』という親の思考は、現代社会においては一番代表的なものですが、そこには、「人から好かれることがしあわせにつながる」とか、「いい子でいることが~」とか、「世間から評価されることが~」とか、「特別な存在と思われることが~」などなど、ほんとうに様々な思い込みや観念が存在します。


そして実は、その思い込み、観念は親自身が自分の親から言われてきたものとまったく同じなのです。この親が子供の頃に、自分の親から色々言われて、親から受け入れてもらうために、役割をつくり演じることで自分の身を守っていきますが、親自身が「受け入れてもらい、心から安心するということがどういうことか」を体験させてもらっていないために、それがどんな感じか、どのようにすればいいのかがわかりません。だから、自分の子供には自分がやってきた同じ方法を親からの愛情と思い伝えるしかなくなります。(「あなたのためだから」という言葉もよく聞きますが、それも親としての愛情表現のつもりではあるのですが・・・)


図らずも、こうやってトラウマは世代間を伝わっていくことが大変多いです。


ですから、子供の心が安定するためには、その子が感じたポジティブな感情もネガティブな感情も、ただただありのまま受けとめてあげるだけでいいのです。そうすれば、自然に子供の心に安心感が定着していくのですから。


これが、ほんとうの意味での「よりよい子供を育てる」根源的な方法だと確信しています。


そして、(この本では心理療法には言及していませんが)安心感を定着させてもらえなかった(子供時代を完了させられなかった)親(大人)に対しては、子供に対するのとまったく同じ方法で心を癒していくことが出来ます。セラピーでは、子供の頃の自分を客観視しながら、大人の自分がその子のその時に感じた感情をただただありのまま受けとめてあげると、その親(大人)の心の中にもどんどんと安心感が定着していくのです。


セラピー現場では、このようにして自分が自分を癒して行かれたたくさんのクライアントさんたちから、まずはじめに、当たり前のようによく聞く言葉は、『気持ちが落ちることがなくなった』、『不安をあまり感じなくなった』、『心がとても穏やかになっている』、『物事に冷静に対処が出来るようになった』などなどの安心感に関わる表現をお聞きしています。また興味深いことに、自分が自分を客観視しながら癒して行くと、過去からのネガティブな感情は完全に消えてしまってもう二度と出てくることがなくなります。


セラピーにおいて、このような形でクライアントさんにありのままの感情を安心の中で受けとめてもらう流れをつくるには独特の技術を伴いますが、(ここには、他の心理療法にはない独自の心の奥にアプローチする手法と理論があるのですが、それにつきましてはまた別の機会にお伝えさせて頂こうと思います)実体験上、こういう流れこそが人間が根源的に回復して行くために一番必要なものだということが揺るぎなく完全にわかりました。


なぜなら、この流れが出てきた人は、トラウマがどれだけ激しい人でも、どこに行っても楽にならなかったといわれる人でも、例外なくみんなが楽になられたからです。


そう。感情を経由していくことで人間は根本的に安定していきます。人間は感情を有した生き物だからこそ、感情にアプローチすることが重要なのです。


もう一度いいます。


子供のありのままの感情を親が受けとめてあげられると、子供の心には安心感が定着していきます。そういうやり方を子供にしっかりと与えてあげられると、その子の心にはその安心感が一生ず~っと定着します。


トラウマのない(少ない)子供たちが大人となった社会は、すべてにおいて安定した世の中となることは、どなたにおかれても想像に難くないことだと思います。


私は日々、トラウマを統合するための心理療法で、大人の心に安心感を定着させていくお手伝いをさせて頂いています。そこでわかった同じことが、この本には子供の心に安心感を定着させていく方法として書かれています。


親になられている方も、これから親になる方も、学校の先生も、子供たちに接する仕事をされている方も、また、癒しや治療に関わる仕事をされている方にも、その他多くの方々におすすめできるとてもよい本です。


ぜひ、お読み下さいませ!!


それから、大河原さんは『怒りをコントロールできない子の理解と援助 教師と親のかかわり』という本も出されています。また、子供向けの本もあります。『心が元気になる本〈1〉イライラ、クヨクヨどうすればいいの?―悩む・いらつく・心のしくみ』、『心が元気になる本〈2〉自分はダメだと思うとき―1日の心の動きと悩み』、『心が元気になる本〈3〉学校に行くのがつらいとき―いじめ・不登校・性の悩み』(いずれも監修)です。
ご興味がある方は、これらの本も読んでみて下さいませ。


人々の心に深い安心感が満たされ、私たちの国日本が、安定したよりよい国になって行くことを心より願い、祈ります。




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