★私のインナーチャイルド療法体験


若い頃私はごく普通に生活を営んでいましたが、自分自身への価値観がけっこう低い人間でした。(その頃はそれがあまりわかっていませんでしたが・・・)それから、なぜかがっちりした男らしい雰囲気の体育会系の男性がどこか苦手で、そのような人の前に行くと萎縮したり気後れするところがあって、これは自分がおかしくて弱いのかもしれないとなんとなく思っていました。原因として思い当たることも感じてみましたが、まったく見あたりませんでした。



そんな思いも年齢を重ねるごとに徐々に軽くはなっていましたが、どこかで取りきれないところはありました。そしてある時、なぜそう思っていたのか、なぜそんな感覚を感じていたのかその原因がはっきりとわかり、まだ残っていたその思いと感覚がかなりの部分消えてしまいました。



それが、インナーチャイルドセラピスト養成講座を受けた時の生徒同士の実習の時でした。その中で、なぜだか胎児の頃の自分が出てきたので、その子に向き合いました。いきなり胎児の自分が勝手に出てくることはほとんどないのですが私の場合は出てきました。後で書いていますが、そこにはやはり理由があったのです。



目をつむって何となく浮かんでくるイメージを待っていると、体を曲げ、手足も曲げたあの胎児の格好をした自分自身が浮かんできたのです。私のイメージの出方は感覚タイプで、白黒のイメージでなんとなくそんな感覚がするという感じでしたが、明らかにそんなイメージが勝手に出てきました。そして、おなかの外を感じてみるとびっくりしました。なんと、父親が右斜め前にいて私が生まれてくるのを喜んでくれているのがはっきりと父の方から伝わってきたのでした。



それを感じたとたん涙がたくさん出てきました。父が喜んでいてくれたことがなんだかとってもうれしかったのです。ひとしきり涙を流したあと急に頭の先から足の先まで何かが解けて流れてゆく感覚が出ました。しばらくそれを味わい、その後目を開けると、とっても心地よくしあわせな感覚に包まれていました。なぜか、「自分はもう自由なんだ」という思いが後から後から湧いてきました。



その体験をしてから、すべてのことがうれしくて未来が360度開いてほんとうに自由な感じがしたのです。そして、なんでここを癒すことで、ずっと持ってきたものが取れたのかを感じてみました。思い当たったのは、大人になってから母から教えてもらったことです。



『お前、今だから言うけどおなかの中にいるときに堕そうと思ったことがあるんだよ。手術台まで上がったがどうしても産みたくて帰ってきたんだよ』と。実は、堕そうということになった原因は父だったようです。(ただ父の名誉のためにも。父も積極的に堕すことを決めたわけでありませんでした)だから、その父から生まれてくるのを喜んでもらえていることでとってもうれしくて、いらない子のように感じていた無価値感が消えたのでした。



妊娠されているお母様方。そして、これから子供を産みたいと思っている女性の皆様。
子供はおなかの中でちゃ〜んと聞いていますよ。胎教はとても有効な手段です。おなかの子にしっかり声をかけてあげて下さいね。「来てくれてありがとう。大好きだよ」と、いっぱいいっぱい声をかけてあげてください。



この父は、私が3歳の時に亡くなりました。小さかったので顔も覚えていません。だから、大きくなっても自分の中に父という存在がまったくありませんでした。1%の存在もなく0%だとずっと感じていましたが、特に悲しいこともまったくなく、知らないからそんなものだと思っていました。



それから、胎児のチャイルドを癒した後のある時、自分一人でチャイルドを癒してみようとイメージをしてゆきました。父を亡くした3歳の頃の自分に会おうと思ったのです。3歳の自分に向き合ってその子の手を握ってあげました。意識を集中するとその子から伝わってきたものにとても驚きました。それは、「お父さん大好き!もっと触れあってもらいたかった!」でした。



子供の頃から大人になるまで自分の顕在意識では、そんな風に思ったことが一度もなかったのでとてもびっくりすると共に、そう感じているチャイルドを抱きしめてあげました。しばらく、たくさんの涙が出ました。「そうか。そう感じていたんだね。さみしかったね」としっかりその子を抱きしめてあげました。



するとまた、とっても驚くことが伝わってきたのです。それは、『お兄ちゃんがいるから僕なんていいや』というチャイルドの言葉でした。それがリアルに伝わってきたのです。この思いこそ、それまで一度も脳裏をかすめたことすらなくて、こんな思いがあったんだと衝撃を受けました。



その子をしばらく感じていてわかったことは、「父に兄は大事にされていたが自分は大事にされなかった。父から大事にされなかった自分は、自分のどこかが悪いんだ。父から大事にされないそんな自分には価値がない。価値のない自分はいらない子。そんな自分は嫌い・・・」と。そうやって3歳の自分が自分の価値観を無くして、自分を嫌いになっていったのがとてもよくわかりました。これが、心の奥深くに隠されていた無価値感を感じる一番の原因だったのです。



やっと見つけてあげたそんなその子をしっかりと受け入れてあげて、「大人の自分が見つけてあげたよ。見つけてあげたからもうこれからはどんなときもず〜っと一緒だよ。もう一人じゃないよ。大人の自分は、あなたのことが大好きだよ。とっても愛おしい大切な子だよ」と心からの思いをいっぱい伝えてあげるとその子はとっても喜んで満たされたのです。



(子供は、親から受け入れられなかったと感じたときには、例外なくみんな、自分が悪いと思います。これが人間の生き物としての反応パターンなのです。たとえ絶対にその子は悪くない状況でも、子供は必ず自分のせいと思いこみます。心の奥底にこの「自分が悪い」を残していると、その人は無意識のうちに、自分がしあわせになることを選択しなくなり、驚くことにしあわせにならないように行動しはじめるのです。)



そして、もう一つびっくりしたことがあります。この子に会うことで、体育会系の人がなぜ苦手だったのかがはじめてわかりました。それは、父は社会人野球の選手だったので体育会系の人間でした。その子が体育会系のその父から受け入れてもらえなくて自分の価値観を無くしていったので、体育会系の人を見るとその人に父をダブらせて投影していたのです。だから、体育会系の人の前にいると無意識に、父の前で感じていたのと同じように自分への無価値感が出て萎縮や気後れをしていたのがはっきりとわかりました。



とても興味深いことに、そんな思いを持った原因のチャイルドを癒してあげると、私の中にまだ少し残っていた体育会系の人への苦手意識がまったくなくなってしまったのです。それをなくそうと何かをしたわけではないのに、過去の自分を受け入れて癒してゆくことで勝手に消えてしまいました。



(セッションではこのような感じで、対人関係・人間関係も努力するわけではないのに、自然に楽に対応できるようになります。また、心の影響からきている身体の不調でしたら、心のトラウマを癒してゆくことで直ってしまうこともあります。何年来何十年来持っているぜんそくや偏頭痛などが結果的に直ってしまう人もおられます。)



私自身のこの経験から、人は顕在意識で感じているものと潜在意識で感じているものはいかに違っているのかが、身をもってわかりました。そう。頭のいい分と心のいい分は違うのです。頭ではみじんも感じていなかったことが心の深くにアプローチをするといっぱい出てくることがあります。これはセッションに当たらせていただいている中でもよくあります。人は、そんな頭では忘れているような出来事に、下手をすると一生影響されてしまいます。



過去として終わっているはずのことが、心の中ではその時の感情が処理されずに未消化のまま、その時の感覚のまま残ってしまいます。出来事は過去に終わってしまいましたが、感情の記憶だけが寸分違わずその当時のそのまんまの状態で心の奥深くに残ってしまいます。



それは、ほとんどの場合、子供の頃の親との関係からはじまります。



現象があるということは、必ず原因があります。原因を処理すれば現象は自然に消えてゆきます。セッションの中でもどこに原因があるのかを見つけ出すことができれば、作業は半分以上終わったようなものです。



見ないように心の奥に隠していたその時の思い・感情が出てくれば、その思いがよく伝わってきてわかるので、たとえ嫌いなチャイルド(自分自身)であっても受け入れて愛してあげることができます。そう。そこまでお連れすると、その人が自分で自分自身を癒して、受け入れて、愛することが自然にできはじめます。



そうやって、人は、自分が今までどのような状態であったのかと、現状を認識することが出来たら、それをやめようとかそのままでいいとか、これからどうしてゆくかを自分自身で選択してゆくことができるのです。



私の仕事は、心の奥に隠されているほんとうの原因を探り出し見つけてゆくこと。

そして、その方が自分で自分自身を慈しむことできるところまでお導きさせていただくこと。



自分が自分を見てあげなければ、そうしなければ、人は真の意味で自分自身にはなれないのですから・・・。


これも、まず私自身の体験がなければ気づけなかったこと。父と母をはじめ、すべての事、すべての存在に感謝です。
ありがとうございます。



 
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