しあわせの法則


※この文章は2002年頃に書いたものですが、今の時代にも通じる内容だと思いますので、拙い文章ながらここに掲載させて頂きます。ただし、今まで掲載していたしあわせの法則(気づき編)の前半部分を削除し、しあわせの法則(トラウマ編)につきましては加筆もしています。





世の中には、物理法則、自然法則など様々な法則があります。そして、地球はそれらの法則に則って運行されています。



ここでは、私が気づいてきた世の中の原理・原則を『しあわせ』をテーマにして、できるだけわかりやすく、私の体験例もあげながら、お伝えしていきたいと思います。
どうぞお楽しみください。






★しあわせの法則(気づき編)


☆ほんとうのしあわせとは


「しあわせ」という言葉は、誰をも心が引きつけられる言葉ではないかと感じています。ただ、その引きつけられ方は人によって違うこともあります。





その言葉で、「私はしあわせだ」と改めて確認する人もいるでしょう。





その言葉で、「私はしあわせになりたい」と改めてそれが自分の目標だと感じる人もいるでしょう。





あるいは、その言葉で、逆に「私はしあわせになれない」と思う人もいるでしょう。





または、「私はしあわせになってはいけない」という思いがなぜか自分の心にあることに気づく人もいるでしょう。





では、私たちが様々な形で引きつけられるこの「しあわせ」とは、改めて言葉にするとどのような表現になるのでしょうか?「ほんとうのしあわせ」とはどのようなもの、どのような状態のことを言うのでしょうか?





少し「しあわせ」のその本質についてご一緒に思いをめぐらせてみませんか。




 




あなたが、しあわせを感じる時とは、どんな時ですか?





簡単なことでは、「おいしいものを食べている時」、「温泉に入ってくつろいでいる時」からはじまって、「いっぱいお金があって何不自由なく生活ができている時」、「素敵なパートナーといっしょに楽しく過ごせている時」、「欲しいものが何でも手に入る時」、「何にも心配や不安がない時」などなどいっぱいあると思います。しあわせの感じ方やその定義は人によって様々です。





ちなみに、私がしあわせを感じる時。それは、あなたもそうでしょうが、先ほどあげたような状態が全部そろった時だと思います。すなわち、物質と精神、物と心が充分に満たされた状態の時です。これは、想像しただけでもうれしく楽しくなってきますよね。










では次に、「ほんとうのしあわせ」と感じてみるとどうでしょうか?





私も今まで、このことについては色々と考え感じてみました。





物と心がほんとうに満たされた時とは、どういう感じなんだろうか?物と心さえ満たされていれば、しあわせなんだろうか?・・・と。





よ〜く感じていると、だんだんと見えてきました。





お金があるとしあわせでも、お金がなくなる不安を過剰に感じたり、お金がなくなった時にふしあわせになってしまうのであれば、それはほんとうのしあわせではないのではないか。





素敵なパートナーや大好きな人々といっしょにいられるとしあわせでも、そういう人がいなくなる不安を過剰に感じたり、たった独りになってしまった時に孤独を感じ、ふしあわせになってしまうのであれば、それはほんとうのしあわせではないのではないか。





大きな家やきれいな洋服やカッコイイ車など自分の欲しかった物が手元にいっぱいあるとしあわせでも、それらをなくしてしまう不安を過剰に感じていたり、それらが無くなってしまうとふしあわせになってしまうのであれば、それはほんとうのしあわせではないのではないか。





『ほんとうのしあわせとは、何があってもなくてもそれに過剰に影響されず、どこかで心が安定して何となく満たされている』。そんな状態が基本ではないのだろうか、という結論に達しました。





それは別の表現をすれば、『何ものにも依存していなくて、自分がありのままの自分として自分らしくいることができている、軸がきちんと自分の中心に収まっている状態』といえると思います。




 




では、その状態でいるためには、どのようにすればいいのでしょうか?自分の中心がしっかり定まっていて、自分らしい状態とは・・・?





私はそれは、自分の外側に目を向けている時ではなく、自分自身に目を向けている時だと思います。人は「周りからよく見られたい」、「もっとかまって欲しい」、「注目を浴びたい」などの承認欲求を持っていて、気づかないうちに意識を外に向けていることが大変多くあります。これは、周りの基準に自分を合わせてしまっている状態なのです。





テレビに例えていいますと、自分専用のリモコンを他の人に渡してしまって、「見たい番組が見れない」と悲しんでいる、そんな状態とまったく同じなのかもしれません。自分だけが、何を見たいのかを知っているので、リモコンは自分で持って、自分でチャンネルを替えるしかないのです。





この場合、見たい番組というのは、あなたが楽な感じでいられる自分らしい状態です。そして、チャンネルを替えるというのは、自分はそのように変わると決心することです。





自分らしさに気づき、自分らしくなることを決心する、そのための簡単な具体的な方法が「わくわくノート」です。





☆わくわくノート


ある時、毎日楽しそうに生活されている人に「あなたは、なぜそんなにイキイキと楽しそうなのですか?」と聞いてみました。すると、「いつもわくわくすることをするように心がけているだけだよ」という答えが返ってきました。





その時、気づきました。〈わくわくすることをしている人=自分らしく生きている人〉だということを。自分の中のわくわくを掘り下げることが、自分らしさとしあわせにつながります。





このわくわくを掘り下げることで、思いついた方法が「わくわくノート」なのです。





はじめに、自分が好きな色や図柄のノートを一冊買ってきます。そして、表紙にわくわくノートと書きます。別にしあわせノートでも何でもいいです。無理に書かなくてもいいのですが、書くとなんだか愛着がわいてきます。絵を描いたっていいんですよ。





そのノートには、簡単にできることでいいですから、あなたがそれをするとわくわくしたり、楽しくなったり、心地よさを感じたり、しあわせを感じたりすることを浮かんだままにとにかくただただ書き出していくのです。





例えば、「好きなミュージシャンの音楽を聴く」とか「ゆったりしてコーヒーや紅茶を飲む」や「いつもより少しきれいに着飾ってみる」、「緑の中を散歩する」などなどです。よく挙げられることでは、「ゆっくり眠る」という人が多いのですが、睡眠は疲れをとる手段であって、疲れがとれて健康であったら必ず何かしたくなりますので、これは除外してくださいね。





そして毎日、書き出したことを一つ以上行うことで、自分を大切にして、しあわせになることをあなた自身にどんどんプレゼントしてあげるのです。





簡単な方法ですが、行っていると自分の心の深〜いところの言い分をうまく聞くことができるようになります。何よりもすればするほど、不思議なことに自分の心が満たされて、人生に流れが出て来て、生きているよろこびを感じやすくなってきます。





何年も前に、私がこの方法を初めて行ってみた時には、10個ほど書き出すだけで30分以上かかってしまいました。時間がかかるということは、それだけ本来の自分を押さえて、周りに合わせてしまい、自分自身を満たしてよろこばせること、自分に中心を定めることに意識が向いていないのです。










物理法則の一つに『同じ周波数は引き寄せられ、共鳴する』という法則があります。





テレビを例にして、きわめて簡単に説明しますと、例えばチャンネルを3に合わせるとその瞬間にアンテナから3チャンネルの周波数が出ます。すると、同じ周波数は響き合い、引き寄せ合うという物理法則により、空中に飛び交っているすごくたくさんの周波数の中から3チャンネルの周波数だけが自然にアンテナから引き寄せられてきて映るのです。(これを共鳴現象といいます)





人間においても脳波計でも心電計でも電気の流れを拾っています。そうやって人体は電気の流れで成り立っていますので、いっぱい自分を満たしてわくわくする感情という電気エネルギーを出している人からは、物理的にしあわせを感じている時特有の電気的な周波数が出るので、その感情に共鳴してしあわせなことがどんどん近寄ってきます。そういう人ほど、不思議に幸運な出来事によく出会います。





ある経営者がいわれていましたが、自分の中のわくわくに意識を向け、大好きなことを仕事にして成功した人ほど、不思議としかいえないような幸運なことをたくさん経験しているのだそうです。





だけど、もうおわかりですよね。これは不思議なことではなくて、物理法則に則っているだけだということを。





そして、この方法にはもっといいことがあります。それは、別の物理法則に『強い力のものは弱い力のものを包み込み、影響を与える』という法則があります。





きちんと軸が安定し、ほんとうのしあわせを感じている人がそばにいると、自然にその周波数やエネルギーは周りの人たちにも伝わり、その人たちにもしあわせな感じが広がっていきます。実験した人がいて、物理的にも体の重心が安定してくるようです。





ちょっと、思い出してみてください。ある人が部屋に入ってきただけで何かその場の雰囲気がふわ〜と変わってしまって、なんだか落ち着いてきたというような経験があなたにもありませんか?もしその方をご存じでしたら、その人は、自分らしく楽に生きられている人ではなかったでしょうか?





また、自分らしく楽に生きている人は、日常の中でよろこびを感じやすくなります。よろこびを感じている人は、自分自身にやさしくなっているので、そうしようと思わなくても自然に周りの人にもやさしくなります。




このようなことが、どんどん進んでくると、「愛は地球を救う」ではなく、「私のほんとうのしあわせは地球を救う」になってしまうのかもしれませんね。これこそ、究極の平和活動ではないでしょうか。




 




わくわくノートを書く時のコツは、わくわくすることが浮かんできたら、浮かんできたままにとりあえず書きます。そして、その浮かんできたことを行っている場面をイメージしてみます。イメージをしてみて、何となく心がわくわくしてきたり、楽しくなってくるのであれば、それはあなたにとって必要なことです。





また、浮かんできた時に「おっ、これはいいぞ」と思っても、イメージをしてみたら、なぜだかわくわくしないこともあります。この場合は、「それは、いいことだ」と頭で思っているだけの、「これはいいこと、これは悪いこと」、「〜すべきである」、「〜せねばならない」と決め込んでしまっている思い込み・観念なのです。私の場合は、「正しくなければならない」、「人の役に立たなければならない」という思い込み・観念が強くありました。





逆に、浮かんできた時に「どうしてこんなことが浮かんだんだろう」と思うことでも、イメージをすると、心がなんとなくわくわくすることがあります。これも、頭は思い込み・観念として、「これは、するべきでないこと」と決め込んでいるのですが、心は純粋に「した〜い」と感じているのです。
(ただし、ドキドキする感じの激しめのわくわくは、ちょっと違うと思います)





ここで一つ、ちょっと恥ずかしいですが私の具体的な例をあげてみますね。





かつて私は私服をあまり持っていませんでした。それは、私の中では、「着飾ることやおしゃれをすることは物欲なのでこれは私にとって必要ではない」と思っていました。





しかし、心の深いところを感じながら、わくわくノートに書き出してみると、その中の一つに「洋服を買って着る」というのが出てきました。頭では、「あれ、なんでこれが出てくるのだろう?」と思いましたが、自分が新しい洋服を着ているところをイメージをしてみると、なんだか心はわくわくしてうれしいのでした。





そこで早速、久しぶりに服を買いに行くと、選んでいるだけでうれしくて、さらに着てみるとなんだか自分が外面だけでなく、内面もきれいになったみたいで大変うれしかったのです。





我ながら、この頭と心のギャップには驚きました。そこで、もう一度「おしゃれは物欲」という思いについて深く感じてみました。心を掘り下げて感じてみて、心の奥底にあるほんとうの思いが初めてわかりました。





それは、「おしゃれは、物欲だから必要ない」ではなくて、ほんとうは、「自分には、おしゃれをする価値がない」というものだったのです。
(この部分が私のトラウマに関係していました。このことは、後述の「しあわせの法則トラウマ編」の内容につながります。囚われていた思い込み・観念でいえば、「物欲(我欲)は悪だ」もありました)





これに気づいた時には、自分でもびっくりしてしまいました。いかに、人は頭では、多くの思い込みや観念、言い訳、理屈を持っていて、真実を一生懸命、隠そうといているのかがよくわかった出来事でした。





このように、頭と心の感じ方・思い方は違います。優先するといいのは、頭ではなく、心の方だと覚えておいてください。





また、時にはわくわくする事柄を行っていても、罪悪感や後悔の念などのすっきりとしない思いが出てくることがあります。その時は、その事柄は意識の表面では気づいていませんが心の深いところが、「自分にとってはする必要のないことだ」と教えてくれているのです。または、やり方が違っているのです。





このような事柄を少なくしていったり、やり方を変えることで、わがままや自分勝手にならず誰にも迷惑をかけることなく、良心にそってあなたのしあわせ度をぐ〜んとアップさせることができます。










このわくわくする心の奥底をしっかりと感じて優先するというのが、とてもとても大切なコツです。





心の奥の深〜いところでは、何を感じ、何を思っているのかをしっかりと感じることができなければ、知らず知らずのうちに、物欲、金銭欲、名誉欲・承認欲求、あるいは情欲などの我欲に取り込まれてしまう危険性があります。





これらの欲を満たすことで、ほんとうは満たされていない心を満たそうとしているのですが、満たす部分が根本的に違うのでいくら欲を満たしてもしあわせを感じることはありません。
(このことは、大変人気のある有名人や億万長者など、地位、名誉、富を手にした世間では成功者といわれる人たちの中で、ほんとうにしあわせな人生を送れている人が少ないことからもそのことが伺い知れると思います)





ふと、何かが違うと感じた時には、もう一度しっかりと心の奥の深いところを感じようとしてください。そして、浮かんできたことをとにかくノートに書き出してみてくださいね。





だけどはじめは、うまくアプローチできないかもしれません。だって、何年も何十年も心のほんとうの声に耳をふさいで、無視し続けてきたのですから・・・。





今はあせらずに、胸に手を置いて、とにかくそこを感じようとしてみるのもいいですよ。だんだんとほんとうの声が聞こえはじめますよ。





そしてもうひとつの大切なコツ。それは、「私はしあわせになる!!」と心の底から決心をすることです。





法則の通り、しっかり自分の心の奥底を満たして、心から決心ができれば、あなたが望むしあわせな人生が目の前に繰り広げられます。これは何も難しいことではありません。




 




☆さあ、確認してみましょう


それでは、テレビを見ているつもりで、確認してみましょう。





『 手を見てください。リモコンはしっかり持っていますか? 』
自分自身にきちんと向き合って、どうしたいか感じてあげていますか?





『 指を見てください。チャンネルボタンは、見たい番組をちゃんと選んでいますか? ちゃんと押せていますか? 』
「自分はしあわせになっていい」と心から思っていますか?許可していますか?





『 前を見てください。画面には、選んだ番組がちゃんと映っていますか? 』
納得できる人生が目の前に繰り広げられていますか?





もしも、見たい番組が映っていないのであれば、どこか手順を間違えているだけです。





ゆ〜っくり。落ち着いて。もう一度。確認してみてください。やり直すだけでいいんですよ。





間違えたらやり直すだけでいいのです。ただそれだけです。何度でもOKですよ。あわてず、ゆ〜っくりとね。





そして・・・・・ 
法則を活用し、あなたが少しずつ自分らしいしあわせに近づいて、楽になれたら、周りの人にもしあわせを分け与えてください。それは、やさしい思いだけでもかまいません。





法則は、『与えたものが受け取るもの』です。





さらに出来ましたら、積極的に周りの人も満たそうとしてみてください。しあわせが共鳴するスピードも精神性・人間性が向上するスピードも飛躍的に上がっていきますよ。





それから、人類には人間みんなが共有している意識層があることがわかっています。これが心理学者のカール・G・ユングさんが見つけた集合意識(集合的無意識)です。





一人の人間がほんとうのしあわせを感じて心身のバランスがとれると、もうそれだけで会ったことがない知らない人の意識にもそのしあわせな感覚が伝わっていきます。
(少し形は違いますが、イギリスでは大規模実験が行われ証明されています)





ということは、ほんとうのしあわせを感じている人の数が増えれば増えるほど、自然にそうではなかった人にも深いしあわせ感が自分のこととして感じられるようになるということがわかります(^_^)





法則は、わかっていてもいなくても、地球上に住んでいる限り、すべてのものに分け隔てなく影響していきます。





どうぞ、あなたも今から、法則を楽しく活用してみませんか。きっと、しあわせの扉がひらきはじめますよ。










★しあわせの法則(トラウマ編)


☆人間が生きづらさを感じる根本原因


自分の中のわくわくを感じてみても、「わくわくすることがあまり出てこない」、よ〜く自分の心の中を感じてみると、なんとなく「しあわせになれる感じがしない」、ほんとうは「しあわせになることを決心できていない、許可していない」ということに気づく人もたくさんおられます。





わくわくすることが少なかったり、しあわせになれる感じがしない、決心していないという場合には、自分自身を大事に出来ず、自分の気持ちを抑え込んで、周りに合わせてしまっている度合いが高い人です。





周りを気にして自分自身をほったらかしにしてしまっているので、自分がほんとうは何がしたいのか、何が楽しいのかさえわかりにくくなっているのです。





ここには、本人さえも気づいていないようなトラウマ(心の傷)やそれから起因するネガティブな自己イメージ、囚われている思い込み・観念が隠れています。





こういった人は子どもの頃、家族間の機能があまりうまく果たされていないような家庭環境、家族関係の中で育たれている場合がよく見受けられます。





家族間の機能がうまく果たせていない家庭を機能不全家族といいますが、簡単にいうとそれは、「家族同士のつながりの薄い安心感を感じにくい家庭」だといえます。





そういう意味では、心から家族同士がつながって深い安心感に満たされている家庭はとても少ないように感じています。周りを見回しても、残念ながらほんとうに仲のいい夫婦やほんとうに仲のいい家族を目にすることが少ないことからも、このことが伺い知れます。





安心感を感じにくくなると人は、それと同時にしあわせという感覚を感じにくくなってしまいます。私は『しあわせとは深い安心感を感じられている状態のこと』だと思っています。





そしてまた、機能がうまく果たせていない家庭では親自体にトラウマがある(心の傷を強く負っている)ので、家庭の機能がうまく果たせていないことが当たり前になっていたり、そのことが暗黙のうちに触れてはいけないことになったり、現実、現状に気づき、認識するとつらいので感じないようにして、感じないことが普通になってしまうという場合もとてもたくさんあります。この状態を「解離」といいます





小さな子どもはとても繊細で未熟で、新生児期、乳児期から自分の世話をしてくれている親(特におなかの中で一体だった母親)に完全に心を開いています(というか、生まれた後も強くつながっています)から、母親のちょっとした態度や言動でも、自分が満足する形で「受け入れてもらえている」、「愛してもらえている」と感じられるやり方をもらえないと、親からしたら大したことはないと感じることでも子どもの心は傷ついてしまいます





子ども(特に、乳児・幼児)とは、そういう存在なのです。




 




そして、誰もがここから大人になるまで(なってからも)、様々なトラウマ(心の傷)をさらに負ってしまいますが、その傷が深くなってしまうのも、幼少期にこの後も続いた親(や家族)との関係でのトラウマ(心の傷)が処理をされないので、傷が上塗りをされてしまいトラウマ(心の傷)が増大していきます。





しかし、大きくなるにしたがいそんなことは子どもの頃のことなので、解離させてさっぱり覚えていなかったり、「あの時はこんな状況だったから仕方なかったんだ。親も大変だったんだ」と、とりあえず頭で整理をつけて、現在には何の影響もないつもりでいます。





だけど、子どもはその扱われ方で、「自分はこんな存在だ」と思い込み、「自分はこういう者だ」と決め込んでしまいます。





それがネガティブな接し方であると子どもは必ず、「自分が悪い」とか「自分には価値がない」、「自分はダメな人間だ」などという自分に対してネガティブな自己イメージを決定してしまいます。





親や、家族から否定されたり怒られると、その子がまったく悪くない場合でも、小さな子どもは必ず「自分が悪いからだ」と思い込みます。これが、すべての子どもに共通する反応パターンです。





怖がらす訳ではありませんが、こうやってインプットした思いは、処理しなければ一生その決定をそのまま持つようになります。





また、自分が不安定にならないようにするために、受け入れられ、愛されるために「役に立たなければならない」とか「私はいい子にしていないといけない(人をよろこばせなければならない)」、「絶対人に嫌われてはいけない」、「勉強ができること(だけ)がいいこと」、「ちゃんとしないといけない」などという囚われた思い込み・観念も持つようになり、自分を限定してしまう枠を自分で作ってしまいます。





このような状態でいると、いくら「成功したい」とか「しあわせになりたい」と頭で強く思うことが出来たとしても、心の奥から感情を伴って出ている思いは、劣等感、自己否定、罪悪感などから起因するものであり、「自分がしあわせになることを自分に許していない」状態なので、無意識のうちにも自分が楽しく、しあわせになるような選択をしなくなって、自分で自分の足を引っ張り、物事がうまく行かず、しあわせにならなくなってしまいます。





あるいは、何事においても、途中までは順調にいっていても「なぜか、最後にはうまくいかなくなる」というパターンを何度も繰り返してしまうということもあります。





この思いがそれほど強くない人の場合でも、少しでもこういうインプットがされていると、自分が思うように人生が進まないという経験をするようになります。もうおわかりのように、「自分からしあわせにならないような選択をしている」のです。





そして、何よりも自分を好きではないので、心からの深い安心感がなく心が安定せず、「さみしい」、「悲しい」、「孤独」、「不安」、「怖れ」などのネガティブな感情を感じて、埋まらない心を他の人や物や事で依存的に擬似的に過剰に埋めようとするしかなくなります。










そうやって、人間は無意識のうちに、様々な自分以外のもので心を埋めようとしています。
(ただし、これが過剰になっていない場合には問題はありませんが、『何かに過剰に反応する時には、必ずトラウマ(心の傷)が存在する』のです)





仕事(役割)で埋めようとする(認められて安心しようとする)人もいます。



お金をたくさん持つことで埋めようとする(安心しようとする)人もいます。



地位とか名誉、肩書きで埋めようとする(認められて安心しようとする)人もいます。



人気を得て、周りの人から受け入れられ、愛されることで埋めようとする(さみしくならないように、自分の存在価値を信じようとする)人もいます。



パートナーで埋めようとする(さみしくならないように、不安にならないようにする)人もいます。



自分の子供で埋めようとする(さみしくならないように、不安にならないようにする)人もいます。



ぺットで埋めようとする(さみしくならないようにする)人もいます。



買い物をすることで埋めようとする(満たされていると安心しようとする)人もいます。



食べることで埋めようとする(脳の満腹中枢を刺激して満たされた感覚を得ようとする)人もいます。



宗教に関わることで埋めようとする(不安にならないようにする)人もいます。



お酒を飲むことで埋めようとする(様々な出来事や感情を忘れようとする)人もいます。



ギャンブルをすることで埋めようとする(刺激を得ようとする)人もいます。



セックスで埋めようとする(刺激を得よう、満たされようとする)人もいます。





このような心が埋まらないという思いの根底には、ある感情が隠されています。それは、「(受け入れてもらえなくて、)愛してもらえなくて悲しい」というものです。





人間に共通する根源的なトラウマ(心の傷)は、この子どもの頃からの自分の心が満足する形で受けとめてもらえなかった、「愛されなくて悲しい」という感情が心に抑圧される(抑圧する)ことで発生します





そして、子どもの頃にはこの感情を感じてしまうとつらすぎて生きていけなくなるように感じるので、生存本能で感じないように解離させます。それにより、頭と心がフリーズした状態になり本来の自分からどんどん離れてしまい、ありのままの自分を生きられなくなってしまいます。これが人間の生きづらさの根本原因です





子どもの頃から、この悲しみをもう感じないように、認めないように、心に壁を作り、鎧をまとって心から感じるということを止め、頭を優先させて、とにかく出来るだけ不安や怖れを感じないようにするためだけに思考を使うようになります。





例えもうその時期は過ぎて大人になっていても、頭と心はその当時のままの感覚でフリーズして止まってしまうのです。驚くことに、この状態がどなたの頭と心の中でも多かれ少なかれ起こっていることが、セラピー現場の実体験の中でわかりました。




 




☆トラウマ(心の傷)がない人はいない


実は、世の中のほとんどの人が、このような幼少期からのトラウマ(心の傷)を負って(影響を残して)います。





それはまず自分が生まれてくる時に、頭蓋骨が変形するほどの母体の狭い産道を通ることで過剰な圧迫を受けて身体的トラウマ(バーストラウマ)を受け、言葉にできない「(感覚的な)不安と怖れ」を第一に感じることで負います。





そして次に、(もしもそれ以降には心に傷を負う出来事がなかったとしても)その「(感覚的な)不安と怖れ」を潜在的に感じている状態で、2歳頃になるとイヤイヤ期に入って、自然にたくさんの要求が出るようになります。いわゆる魔の2歳児です。(これは母親にとってそう感じるだけで、子どもにとっては、やりたいことができるようになった自由の幕開けなのですが・・・)





この時期の子どもの要求は母親にとってはあまりにも多すぎて、すべてを受けとめ満たし切ることは到底できませんし、母親は手がかかって大変なので、その要求に対して受けとめるどころか余裕がなくなり様々な表現をしてしまいます。





「グズグズしないで早くしなさい!」、「またこぼして、何でちゃんとできないの!」、「うるさい、静かにしなさい!」などなどと過剰に注意したり、叱ったりすることがどうしても増えてきます。





しかし、小さい子どもはとても繊細であるがゆえに、またそのような表現、対応を生まれて初めて体験することにより、自分は受け入れてもらえない、愛されないという「愛されなくて(受け入れてもらえなくて)悲しい」という感情を抱くようになります。





このような流れで、大変な家庭環境で育ったわけではなかった人でさえも、この「不安と怖れ」と「愛されなくて悲しい」という感情の影響を心の深いところで受けてしまいトラウマを負います





私は人間がほんとうのしあわせを生きるためには、この原初的といえる「不安や怖れ」や「愛されなくて悲しい」という感情と、さらに親・家族からの言動から作り上げたネガティブな自己イメージ、思い込み・観念に(安心・安全に)向き合っていくことが必要だと感じています。





その部分が癒されると、誰もが今まで味わったことがない生まれ直したような感覚が出て来て、生きることが驚くほど楽になります。





こうやって抑圧しはまり込んできた過去からの影響が解放されると、人生が驚くように変容していくのですが、ただ、一つだけわかっておいてほしいことがあります。それは、「親には決して愛情がなかったわけではない」ということです。世の中のほとんどの親は、子どもへの愛情をたくさん持っています。





だから、この文章を読んでいて親からの扱われ方が生きづらさの根本原因であることに気づかれたとしても、どうぞ親御さんを責めないで下さいね。





ほんとうは、親もあなたと同じような環境で育ち、同じような心の傷を抱えているだけなのですから。愛情はあるのですが、自分が愛情をもらっていないので、愛情の表現の仕方がわからなかっただけなのです。





焦点を当てるべきは、親に対してではなく、今現在に影響を与えている過去から処理されないまま自分の中に残っているその当時からの「感覚」や「感情」なのです。





それが解離して表面上焦点が当たらないようにしてしまうために、処理できていないまま、されないまま今も抑圧されてしまっていることが根源的な原因ですから。





そう、どの親にも、うまく表現出来なかっただけで、ほんとうは愛情がありました。そのことがわかると、『トラウマとはなんと悲しいすれ違い』なのでしょうか・・・・・・。





このトラウマは、処理していなければ、親から子へ、子から孫へと世代間を代々とつながって連鎖し続けていってしまいます




 




ちなみに、子どもへの虐待的行為をしてしまうという方は、このように自分自身が親から同じ扱いを受けていたという事実があります。自分で気づいている人もおられると思います。





子どもに対する愛情はあるのに、自分がされてイヤだったあの親の言動とまったく同じ事をしていることに・・・。





中には、自分がそうされたから子どもにはしないと決め、とても大切にしてあげる人もおられます。





しかし、その人も自分のトラウマ(心の傷)が残っていると、自分の状態がいい時には優しく接しられるのですが、余裕がなくなったり、状態が悪くなった時には、脳に刷り込まれている自分の親と同じ言動を無意識の内にもしてしまいます。





この連鎖は、親から愛されなかった自分を自分自身が愛せないことから始まりますので、処理できていなかったその時の「感覚」と「感情」〈虐待の場合にはまず「怒り」〉をセラピーで癒すことができると、子どもへの対応がすぐに変わって、この連鎖はなくなってしまいます。





子どもへの虐待をなくしたいと来られた人は、ほとんど1〜2回で虐待がなくなりますが、これくらい『人間の脳は融通が利かず、一度インプットしたものをずっと握りしめてしまうまったくの機械的なコンピューターである』という特性を持っています。





特にそこに「感情」が抑圧されている(抑圧している)と、その握りしめはさらに強くなってしまいます。





人間は、『親からされたように自分を扱いはじめ、自分を扱うように周りを扱います』





ほんとうの意味でのしあわせになるためには、まず、自分が根源的に何の影響を受けたままになっているかに気づき、そしてそれを癒していくことがとても大切です。





トラウマが癒された後には、心の内に今まで感じたことがないような深い安心感が出て自分自身に対する捉え方がポジティブに変わり、自由でありのままの自分らしさが出てきます。





心から「私はしあわせになる」、「自分の人生を歩もう」と素直に思え、心の底から決心をすることができるようになります。





法則のとおり、しっかり自分の心の奥底を満たして(リモコンを持って)、心から決心ができれば(チャンネルボタンを押せば)、あなたが望むしあわせな現実(番組)が目の前に繰り広げられます。





法則は、わかっていてもいなくても、すべてのものに分け隔てなく影響していきます。








ホリスティック・セラピー研究所では、あなたが本質的な自分を取り戻すお手伝いとして、象徴的イメージ統合療法を行っています。自分に気づき、ありのままの自分を愛して深い安心感と共に自分を生きていくための大変効果のある心理療法です。




※詳しくは象徴的イメージ統合療法をご覧ください。





そのためにはまず、『自分に向き合い、自分自身を知り、理解すること』。すべては、そこから始まります。





『私たちの一生涯の中で、いつどんな時も何があっても、離れずずっとそばにいる存在は自分自身以外には他に誰もいません』。ですから、自分に向き合い、自分を知り、理解し、癒すことは大人だからこそ基本として必要なことなのではないかと思うのです。





それは、『「強い自分になる」というのではなく、例え、さみしさ、つらさ、不安、怖れなどを感じている弱い、ダメだと思う自分だとしても、その自分を否定したり、見捨てるのではなく、そういう感情を感じている自分自身に共感し、ただただありのまま受け入れる』ということです。





(そして、これがほんとうは子どもの頃に母親からして欲しかった心が満たされるやり方です。子どもの頃にこのやり方を母親からもらえていたら、例え父親や他の家族から強くトラウマを負うような言動を受けたとしても、母親が味方になってくれて、安心をもらうことができるので、トラウマは重大なものとはならないのです)





「私にはトラウマはない!子どもの頃にそんなに深く傷ついた出来事はなかった」と言われる人も多いですが、(試しに)セッションで心の内に向き合ってみてみると、「この出来事は覚えていて、何も問題はなかったと思っていたのに意外なことに自分の中では引っかかっていて、思いや感情が残っていたんですね」とほとんどの人が言われます。





また、自分の心の内側を見るのが怖いと感じる人も多いと思いますが、ゆっくりと無理なく自分の心に向き合って、そこに何があったのかに自然に気づいていくと、ただ気づいただけでも心がとても軽くなります。





「しあわせになりたい」、「自分らしく生きたい」と、一歩踏み出そうと思われている方はどうぞお気軽にご連絡ください。必ずお役に立てることを確信しています。





※象徴的イメージ統合療法の中の一つの手法にインナーチャイルド療法があります。私自身がまずこの手法で劇的に生きることがほんとうに楽になりました。→私のインナーチャイルド療法体験




最後までお読みいただきました、あなたに感謝いたします。



ありがとうございます。



あなたのおしあわせをお祈りいたします。

                          







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